ナツメ社の営業力のせいか、本当にどうということのない本屋に池上彰氏の本と並んで置いてあったw 松尾さんの新刊。さすがにこの種の本は送ってくれないだろうからw 自分で購入。
なんといっても図表化されているのでわかりやすい。マルクス経済学は図表化になじむと思う。そもそも「階級闘争」とか「搾取」とか図表というかマンガ的処理がしやすいのではないかと思う。例えばニューケインジアンを図解せよ、とかいう注文はひとつの大きなチャレンジになるだろうw
まだざっとみただけだけど、到るところに松尾さんのこだわりがある。こだわりすぎたためか、マルクスの『資本論』と松尾さんのマルクス経済学との異同が最後の方に収録されているのも便利だろう。
個人的にはコラムが有益。ケインズの価格のとらえ方とマルクスの生産価格の異同とか渋い。
最終章はマルクス経済学の今日的課題があげられている。特に複雑労働力関連の問題へのゲーム理論の適用など、松尾さんが裸族(らぞく)の経済学以降、啓蒙レベルで明らかにしている立場が要約されている。他にはマルクスの国家論については、個々の特殊利害の偏差の長期的平均=「総資本の意思」として実現するという国家論を展開しています。これはどういうことなのかよくわかりませんが、そのうちさわりでも聞いてみたいものだと思います。
- 作者: 松尾匡
- 出版社/メーカー: ナツメ社
- 発売日: 2010/10/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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