『サイゾー』6月号の荻上チキさんの連載に片岡剛士さんが登場しています。「民主党は“官僚のオルタナティブ”を在野に求めよ」とのこと。片岡さんと荻上さんの対話を読んでいると本当に希望が持てる。
リーマンショック後の政策対応の国際的視点の重要性、積極的な緩和政策の効果、構造問題説の限界、政策決定過程における政治家の判断ミス、民間シンクタンクの可能性、若手研究者への期待など、片岡さん自身の経験と知見を踏まえた対談は、いまの経済問題を考える上で格好の素材です。また荻上さんとの話が、人文系の諸課題ともわりと連結しているので、経済問題に普段は関心のない人でもすんなり読めるつくりですね。何気に中川大地さんが構成しているのも注目。
特に荻上チキさんが片岡さんの『失われた20年』の所論の中で注目している経済政策決定までの、認知ラグ、決定ラグ、実行ラグの問題は、日本の政治的体質とも絡んで、いまのユーロ危機の下にある日本経済にとっても何度も繰り返し考察されるべき視点だと思う。

- 作者: 片岡剛士
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2010/02/25
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