『マンガ論争勃発2』で発言してます

 なんだか最近、マンガ関係の話題が多いのですが(笑)。もう書店に出ているようですね。僕も近所の本屋で確認しました。すでにこのエントリーでこの本の印象について書きましたが、最終章のあまりに理念的な切り口(小谷・金田、東)は正直いって意味がわかりませんでした。

 僕の出ている「大学を不良債権処理場にするな!」ですが、考えてみると処理されていなくなればそれでいいのかもしれませんが。

 期待して読んだのは小田切さんのとこ。ただ

「日本の研究者は海外のマンガ研究に興味がない。海外からも研究者が来てるのに、海外でどうなっているのか誰も聞かない。それ以前に何を聞けばいいのかわからない。それがわかっているのは小野耕世さんくらいしかいない。夏目(房之介)さんは『日本のマンガは海外物差しがなく、発展してきた特異なジャンル』と言うが、少なくとも(昭和)60年代までの山口昌男鶴見俊輔といつたあの辺の進歩的文化人たちは海外のマンガを知っていて、その専門家として小野さんの知見を参照していた。そういう認識自体は山口さん以降は継承されていないんです。永山さんの世代になると、もうない」

という小田切さんの発言に、永山さんの(「その場では「ないですね」と答えた筆者(永山)だが、正確にいうと「あったんだけど、途中から忘却した」)の余計な言い訳が、かえって小田切さんの問題提起を曇らせてしまっている。

 ただ、僕や小田切さんたちが集まった、マンガ学とコンテンツ学を扱った章は、見解が違う人が比較的集まっている印象。

 ところでまだ駆け足で見ている段階なんだけど、例の国際児童文学館問題が(僕は言及したけど)ほとんどスル―されているのが気になった。わざわざ「マンガと図書館」の章まであるのに。あれこそ、経済、法律、マンガ(学)、政治すべての問題が凝縮されているのに。

 さてまだ本決定ではないけど、広義ではマンガも含む文化経済学的な領域で近いうち仕事ができそうである。今回はそのためのいい助走にはなったと思う。


マンガ論争勃発2

マンガ論争勃発2