麻生首相の選挙向けの秋波だかなんだか意味が不明だが、郵政民営化事業の見直しの答弁。いったいどこまで不況対策をないがしろにして明後日の方向にまい進するのか? 本当に日本は大丈夫なんだろうか? 郵政民営化で事業の将来は薔薇色みたいなかっての暗黒卿の路線に僕は否定的だったが、いまや郵政事業の見直しなど、真剣に時間を割く必要さえもない(数年前に民営化がどうでもいい話題だったのと大して変わらない)。よくはわからないけれども例のオリックス不動産への売却話ご破算もこの一連の見直し路線の露払いなわけなのかな? そうだとしたら本当に茶番で迷惑な話。
ところで『セイビング・キャピタリズム』の仮説が、こういう話とかみると、既得権者(天下りに固執して暗黒卿に報復したい財務官僚とか、郵政民営化反対の既得権者たち)たちが、不況をバネにして、市場の成果を否定し、規制を求めることで、なんと労働者の一部(経済的な困窮にある人たち≒失業者)と同盟を築いていく、というシナリオが本当に信憑性をましてきたなあ、と思う。なんといってもいまは無責任なほど「市場原理主義」批判が加速化しているから。
不況の深刻さの中で、消費税増税(高齢者層への秋波)、郵政民営化の見直し(郵政関連の既得権益者への秋波)など、まさに次々と不況対策とはまったく無縁な政府のムダ遣いが暴走する悪寒。こういうのを若い頃みていた盛るトン・フリードマンが、大恐慌を経過してムダの多い政府になった、といったのもわかる気がする。つまり不況対策自身がムダではなく、実際に後々までムダになるのは不況対策とは無縁なこういう規制だとか市場へのただ乗り(増税して自分たちのスリム化はスルー)みたいなものが増えてくることなんだと思う。
- 作者: ラグラムラジャン,ルイジジンガレス,堀内昭義,有岡律子,アブレウ聖子,関村正悟
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2006/01/11
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