高橋洋一『財投改革の経済学』


 高橋さんから献本いただきました。どうもありがとうございます。下に更新滞ると書いたばかりですが、さすがに暗黒卿高橋洋一さんの年来の業績の集大成を紹介しないまま月末まで放って置くことはできません。


財投改革の経済学

財投改革の経済学


  
 本書への竹中平蔵氏の推薦の言葉からそのまま引用
 「本書は、小泉・安倍内閣における公的金融改革の理論的支柱となった一連の分析を集大成したものであり、最先端の政策分析書である。著者高橋洋一氏は長年政府中枢にあって、郵政民営化政府系金融機関改革などの構造改革を、最前線で推進した人物だ。その高橋氏が、高度の経済学的手法を駆使して、複雑な公的金融問題の分析に挑んだ。政策議論はいま、ますます混迷しつつある。だからこそ今後の政策分析と政策論議のために、本書は必読の書となろう」


 さすがに「盟友」の言葉だけあり、本書の意義と内容を的確に示している名文だと思います。実際にまさに小泉・安倍構造改革の基本設計は高橋洋一さんの手になるものであり、その意義は強調してもしすぎることはないでしょう。


 内容は、資金の流れの変化、郵貯の経済分析、財投・郵貯・政策金融改革の経緯・現状、財投改革、郵政民営化特殊法人改革、政策金融改革、他の政策への影響からなります。21世紀における日本の経済政策の全貌をこれだけ簡潔かクリアに示した本書は長くこの分野の決定版になるでしょう。僕にとっても懐かしい話題が目白押しであり、いくつかの章からは恩恵を受けてもいます。


 正直いってこれ読んでおかないと、日本の経済政策論議なんかできません。