この本には個人的な理由で非常に驚いた。本書の核をなすのは、「選択の自由」型経済学への批判に加えて、自己欺瞞論にある。このブログを以前から読まれていたりする方には僕もこの自己欺瞞論や「多様な私」論に強い関心があるのをご存知かと思いますが、その意味からもまったく同じ問題関心をもっていても、こうまで真逆な立ち位置になるのは、ある意味面白い。僕が自己欺瞞論に次第に魅かれたのは、主に3つの方向で、それは1)経済学批判=『アダム・スミスの失敗』以降のカルト研究、2)アメコミ論戦におけるワーサム関連、3)デフレ下における貨幣への呪縛 という3つの視覚から。安冨氏とはここでも異なるのかもしれない。
田中の自己欺瞞論関連の発言:
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080416#p1
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080307#p1
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080306#p1
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080226#p2
またecon-economeさんの以下のエントリーも参照
http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20080428/p1(堂目卓生本書評)
http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20080425/p1(安冨歩本書評。安冨本に関する最も整理された書評)
もちろんhicksianさんのところも参照
http://d.hatena.ne.jp/Hicksian/20080416#1208303630(自己欺瞞論、多様な私論)
http://d.hatena.ne.jp/Hicksian/20080410#1207825490(堂目卓生本書評)
http://d.hatena.ne.jp/Hicksian/20080225#1203955506(拙著書評、多様な私論)
finalventさんの拙著書評の最後あたりも
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2008/03/post_4093.html(貨幣への呪縛)
生きるための経済学 〈選択の自由〉からの脱却 (NHKブックス)
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