猪木武徳編著『戦間期日本の社会集団とネットワーク―デモクラシーと中間団体』

 大正デモクラシーを再評価する一連の論考であり非常に興味をひいた。手元が乏しく(笑)購入できずに、僕の研究とダイレクトに関係する武藤秀太郎氏の論説(福田徳三ら黎明会活動や彼の国際的な視野を論じたもの)をとりあえず立ち読みした。ちなみに宣伝だが、僕自身の福田徳三論もほぼ完成しているがこの武藤論文も参照させていただく。なお武藤論文には、僕らの書いた福田徳三の中国への紹介という論説も言及されていた。


 さて大正デモクラシーの再評価として、社会資本の担い手として猪木先生が、当時のさまざまな中間団体に目をむけたことが面白い。同種の試みとしては、寺西寿郎先生の『日本の経済システム』(岩波書店)などがある。なお、寺西先生の本については、長文の書評を金融学会の専門誌に寄稿したことがある。