「アルファブロガーの経済学」というのは検討材料としてどうかな? と春めいた陽気に誘われて頭ゆんゆん状態になったのでしょうか、検索して知ったんだけどメリケン国家ではそもそも「アルファブロガー」という範疇が成立してないか無視されてて、日本みたいに毎年賞で騒いで、そこで選ばれた人たちのブログの記事や読書感想文が制度的な感じで自動的に配信されてくような感じにはなってないんだ。へ〜。違ったらごめん。
しかしこのhttp://alphabloggers.com/nominee_2007/entertainment/anond.html
のアルファブロガーの人たちで、経済問題に関してはそれを主話題にしているかいなかにかかわらず書いたものみるかぎり、finalventさんところと切込隊長*1以外のところは思わず「逝ってくれ」といいたくなる人たちが勢ぞろいしているのは気のせいだろうか? もしそれが春の陽気で僕の頭がおかしくなったせいでないとしたら、日本人は大多数のアルファブロガーが発するトンデモ経済論をバターにしてウンコ(議論)をたべてる酷い境遇だとしか思えない。つうかいまちょっと調べただけでもみんなすごいウンコ経済論を垂れ流してたんですね。一冊本が書けるよ! 不覚にもいままで気がつかなかった。これだけの惨状とは*2。もっぱらひどい経済論は日銀か笑、2ちゃんか2ちゃんエコノミストが発信源かと思ったが違うかもしれぬ。あまりにも驚いたのでついこんなエントリーを立てたが。ある意味、感動した 爆
しかもほとんどのアルファブロガー系のブログが経済問題を扱うときのスタンスは、専門知識や専門家へのすざまじい懐疑的態度の採用で特徴づけることができる。場合によっては経済学の教科書レベルすら知らないのにそれを全否定(否定するには否定するものを知っている必要があるのに!)する態度が顕著なことだ。まさに素人と専門家がなんの証拠もなく、一方的に同じかむしろ専門家の方が貶められているのがこの種のブロガーの典型的な態度に思える。そしてそのような証拠のない懐疑的態度を読者がやはり証拠もなく熱烈に支持する一種の「カルト」的現象が顕著だ。これをルサンチマン君といわずしてなんといおう、という反応も一般的に思える。
これは歴史的には日本では戦前の左翼の常套手段と同じように思える。これに「学者だから」とか「御用だから」とか「天下りだから」とかいう修辞をつけて批判する手口が加わればもう完全に伝統的な手法だ。これは興味深い。というかこれだけ興味深い現象をなぜいままで誰も注目せずに放っていたのか疑問なくらいだ。集合心理が生み出すfadsやカスケード現象のサンプルとして非常に面白い経済学の対象になるのに。あー驚いて興奮したよ 笑
メリケンの方は「A-list blogger」というのだそうだけど、少なくとも僕が知る範囲でメリケンのブログ経済論壇で彼らの発言がとりあげられて、影響力をもっているようにはまったくみえない。簡単にいうとプロの発言がほぼすべてをしきっているといえる。そしてその成果もすばらしいと思う。もちろんコメント欄をみると日米どこでも同じようなウンコ経済論があるが(しかしそれが日本人だったら笑えないがw)、それでもその悪影響は限定的に思える*3。
つまり簡単にいうと、アルファブロガーという「制度」、経済論に関してはなんか、まずく作用してね? ということである。それには実証が必要なのでこれから少しずつ情報を蓄積していくつもりである。
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ところで「ウンコな議論」といえば、その論文集来ました。しかしこれはフランクファートとあの分析マルクス主義者のコーエンとの論争を主軸にして盛り上がってる本なのか。あとで紹介予定。おなじウンコのつかみ合いでもこちらはすごく勉強になる
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