献本いただいたもの。毎月恐縮です。今月は日本の官僚論について。山形さんの論説は一部保留すれば、ほとんどこのエントリーhttp://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080313#p4で書いたものと同じように思える。まあ、厨房からみれば両方とも「抵抗精力」じゃない、「抵抗勢力」みたいに見えるだろうけれどもね 笑
ただ山形案の割りのいい年金付与というのはある一定年数官僚しなくてはいけないので、それをみれば「流動化」に逆行する効果をもってしまうように思える(ただし上のエントリーで書いた「やる気を出させるならば、おおざっぱな業務上の努力に不釣合いなほどのお金を出す」に該当する施策ともいえるか)。それと僕が上で書いた「さぼることこそ改革」論wというのは下の山形発言と非常に類似している。もちろん僕は府職員についてなんの「優秀さ」の実証もなくいったのだが、山形発言は東大出の「優秀」官僚をバックグランドにして述べていることに注意。
「現在の官僚たちの優秀さというのは、平たくいえば、彼らが給料分以上に働いているということだ。つまり、少ない人数で、少ないコストで*1、高い行政サービスを提供している。でも、この改善策(給料引き上げ、人数増加、一人当たりの仕事量削減、年金付与など …‥田中補遺)が実現したら、彼らの仕事はもっと給料に見合ったものとなる。それなりの人数で、それなりのコストを掛けて、それなりの行政サービスを提供するーーつまりはいまほど優秀とはいえなくなる。が、それは必ずしも悪いことではない。天下り*2もなくなる。仕事のやりがいを見出すための変な権益依存も減る*3」。
もちろん「さぼる」そして「待遇あげる」ことをすれば厨房レベルの意味する「財政再建」(=ただのお金ださないこと)とは逆行するようになる。しかしこのミクロレベルのリフレ政策(さぼる人でも生きさせること、待遇あげることなど)は結局、財政再建に貢献することになるだろう、と花粉症と寝不足で頭痛がするのでいまはこの程度で。