黒木掲示板の呪縛、時代は池田信夫ブログなのか?


 21日のコメントでいま書いたところですが、古くからのネットユーザーに熱烈支持されていた黒木掲示板は、僕もそうですがネット議論のひとつの模範だと思います。これをネット議論が不得意とからかわれている 笑 僕が語るのもなんですが、そういう黒木掲示板での過去の良き?思い出をこのブログでもそうですがいろんなブログでの議論に求めるのはもう無理だと思います。例外は多いでしょうが、以下は田中の主観100%でとくに実証?を重んじては書きませんのでいろんな反論はあるでしょうがご容赦ください。


 ちょっとここで重要なのですが、おそらく多くの人がすでに黒木掲示板を知らない可能性があることです。で、これが黒木掲示板の遺産の一部→http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/a.html
 いま現在、完全に閉ざされている。


 でその掲示板での議論は黒木さんの知識と人格とほとんど生き方=掲示板 とでもいうべき努力で行われていました。その成果も見事なものでした。僕もそりゃ、すごく助かりましたし、そもそも最初にネットで書き込んだのは黒木さんのところが最初で、それに対しても黒木さんに非常に親身に心配いただきました。「ネットでの議論なれてきましたか?」って感じで見守っていただいたのだと思います(推測)。で、いまも馴れてませんが 爆。


 そしてかの塩沢由典先生とのネット論争も黒木掲示板での一大成果でした。この当時の雰囲気をまとめたことがあるのでこのエントリーの最後にその文章を貼り付けましたのでご参照ください(あとでします)。もう何年も前のものなので内容は無保証です。


 しかしこの黒木さんの掲示板=黒木さんの人生 とでもいうべき活動は当然だれもが真似できません。また環境も激変しました。例えばこのブログの一日の読者数はのべで一日1500くらいで多いときには2000ぐらいです。この数字は黒木掲示板(の経済関係掲示板)の一日読者数よりも場合によっては多いのではないでしょうか? というのは当時人気だった苺経済板のアクセス数は全盛期でも1000を超えるのはなかなかいかなかったからです。つまり利用者の母数が劇的に増えて、それに伴い経済関係ブログの読者母数も増えました。それに伴い、いろんな人が見るようになったのがここ3,4年の大変化ではないでしょうか。奇しくも黒木掲示板はそのブログ時代の本格化の前に事実上活動を停止しました。なお停止の理由そのほか黒木さんの個人的な考えなどいまは興味はないですのでそこを書き込まないように。


 さらにこれが重要なのですが、掲示板の生産性は邪推する以外にないのですが、掲示板運営の機会費用はなんとなくわかりますよね?。特に黒木掲示板のような管理のしかたはそれこそ上に書いたけれども人生=掲示板とみなしてもかまわないぐらい時間を割いていた。


 しかしあえていうならば掲示板やブログでの時間消費が大きい人は、どちらかというと人気ラーメン店で行列を好む時間の機会費用が少ない人とかなり似ているのではないか、ということがいえるのではないかと思います。もちろん行列した時間で得たものも大きいからいいんだ、というのは「その行列した人という個人ベースでなら」わかります。黒木掲示板の管理はそうだったのかもしれません。


 しかし僕は(そして素朴観察の多くのブロガーは)そんな行列をつくって何時間も場合によっては起きてる時間の大半を消費するのは無理ではないでしょうか。僕もここ数日はかなり時間を消費しましたが、できれば日に30分ぐらいがちょうどいい。仕事とというよりも娯楽ペースですね。みなさんもおわかりでしょうが、このブログで田中が一番利益を得ているのはどうみても経済関係ではなく、コミック(アメコミがかなり中核)、韓流、サブカル関連などの情報収集とその整理ではないか、つまりはどうみてもただの娯楽ではないか、ということです。これが僕の犠牲(機会費用)にほぼ見合っていることです。


 それともちろん経済関係も重要です。僕の嫌いな言葉に「啓蒙」というものがありまして、この言葉をなるべく使わないならば、経済関係への告知や関心の共有も重要です。しかしそれは他のメディアでの勝負こそ重要かもしれません。というかそれができる環境をもっている人はそれをちゃんとやることことが使命でもあるでしょう。ブログはそのときフォロー的位置になります。また経済関係はコメントで議論するというよりもブログで意見を公表したい人の大半がブログを保有しています。そして自らのブログで意見表明をするのが定番です。ブログ間の通信が主流になつていて、TBやはてぶはそれを補助するツールで、これも黒木掲示板時代と大きく様変わりしたことです。それにのれない人の一部(それでもマス的には大規模)がネット蝗を形成しているのかもしれません(実証性ゼロ)。


 さて個人的にネット議論が苦手な理由にしては長く書きましたが 笑 現状でもっともブログ運営自体に時間をかけている経済系の人ははたからみると池田信夫氏です。書いてる内容はさておきその投入量はすごい。しかしその運営は黒木掲示板とはかなり異なる印象です。とはいえ、さっき一月ぶりにみるぐらいでそんな頻度で確認したわけではないですが 笑。


 一度コメントを書いたら、あっさり不掲載だったこともありました 笑。それはコメントした人間からすれば嫌ですが、ただ僕はそれはいまのブログ時代ではあたりまえではないか、と思っています。池田氏自体がはたからみていかに自分の気にいった意見しか掲載しないようにはたからみえたとしても、それは読者数が1万を超えるような環境のもとではやむをえない措置ではないか、少なくともリスク回避では考えられるひとつの選択でしょう。最善かどうかは価値判断ですのでいろいろあるでしょうが。



 で、黒木掲示板のようにラーメン店に行列して至高のラーメンをたべる人、あるいは池田ブログのように1万人以上アクセスでやりたいようにやるwスタンスをとる人(24時間ルームサービス型)がいる一方で、そういう人たちにはなりきれない多くの人、つまりは私もそうですが、そういう凡庸なブロガーは、娯楽と真剣のわずかな隙間を、せいぜい近所のわりとすいてるコンビニでお弁当を数分で温めてもらえる路線を目指すのがいいと思ってます。いいかたかえるとつまんなくかつ面倒だったらとっととやめる姿勢を持ち続けるということです。例えばマンキュー先生もついにコメント欄での応答は諦めました。僕はまだ現時点では開放してますが、ネットだからコメント欄もTBも開放するのが当たり前、そこでの議論をうまくするのが当たり前、などと最初から思っていません。時間は一日の人生のほんのちょびっと、黒木時代に比較して不特定大多数の鑑賞+意見表明はコメ欄よりも自分のブログ中心という環境、では黒木掲示板を基準にすることは僕にはできないですね。いや、もちろんネット向きでないのは認めます 笑。


 そんなことを思う最近です。


 なお池田信夫ブログを参考にして移転用に作成したのがしたです。いまよりもアクセス数が増えたら移転するかどうか、思案中。ブログやめる選択をするかもしれないし。
http://blog.goo.ne.jp/reflation2008

ネット関連の考察は以下も参照
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070223#p1

(補)BUNTENさんがはてぶでいいコメントを残していますが、僕も同じでそちらのファンの方々には申し訳ないのですが韓流とアメコミネタをここでエントリーすると物凄くアクセス数が低下することは、いいコントロールの手段です 笑。マイミクの方々にはいつか語った(ここでmixiを証拠に持ち出すなよ、田中w)ことですが、事実上、アクセス数がある警戒区域を超えるときは韓流ネタでクールダウンを狙っているともいえます。え? ただ考えもなしに経済エントリーが力入るときは時間がわりとあるから、そのときは同じように時間的余裕はあるので韓流ネタも増えてるだけだって? するどいね、君w