重度脳性麻痺の女性と社会適応が難しい男とのせちがらい世の中での夢幻的な愛の様相を描いた作品。『ミリオンダラー・ベイビー』でトレーラーハウスに住む母親たちのためにヒロインのボクサーが苦労の末に豪華な家をプレゼントするのだが、喜ばすどころか母親は「生活保障が打ち切られる」と怒り出す。これは社会保障制度の負の面を露骨にエピソードにしていて欝なものだったが、本作でもヒロインの兄夫婦が社会保障サービスを悪用する姿を描写していて心寒い。障害者用の綺麗なアパートに兄夫婦は引っ越していくのだが、ヒロインの方は薄汚れたアパートに一人置き去り、役所の職員がちゃんと障害者が入居しているかどうかを確認しにきたときだけ彼女を新居に連れて行く、という場面である。
物語り自体はラストになんかほのぼのとした幸福の予感を期待させているので救われる。
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2004/12/23
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