ミシキンの潜在GDPをめぐる講演(必読)


 昨日の日本のOECDの経済予測に直接に関連してくる、日本銀行の現在の政策判断の基礎を批判的に考える意味では必読。


 http://www.federalreserve.gov/BoardDocs/Speeches/2007/20070524/default.htm


 OECDの日本の経済見通しや近時の日本銀行の政策判断のひとつの基礎にあると思われる日銀流DSGEモデルからの需給ギャップ推計の問題点も書いてある(実際にはいろんな要素を詰め込んだ生産関数=成長会計アプローチを日銀が採用しているhttp://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/data/rev06j08.pdfというのが公式見解である)。


特に重要なのは以下のくだり


:For example, if inflation is moving in a different direction than the output gap would suggest, then we should take seriously the possibility that our output gap measure is not providing us with reliable information:


 日本銀行需給ギャップがプラスであると主張しているにもかかわらず、最近のゼロからマイナスにふれてるCPI、コアCPI、(石油価格効果剥落だとかなんとかいいそうなのでついでに)コアコアCPIの動向はまさにこのミシキンの警告を真剣に考慮すべきことを告げている。