『国富論』新訳登場

 fhvbwxさん経由で知りました、ありがとうございます。しかし盲点つかれた 笑。原書で通して体力と気力をかなり消耗して読んだことあるんでどうも翻訳を批判する気にはなれない。これもいままでの諸訳同様に偉業だと思います。これだけの古典だと翻訳の歴史にもさまざまなエピソードがあって、僕が大学に入学したばかりのときかな、以下の本の新版がでてて、スミスやリカードの翻訳を撫で斬りしてました。


誤訳―大学教授の頭の程

誤訳―大学教授の頭の程

 その前後にこれは有名な水田洋先生と別宮貞徳先生との論争がありました。うろ覚えですが、確か地中海の潮の満引きの話題だったような? 以下の本に収録されていたはずです。


翻訳と批評 (講談社学術文庫 (673))

翻訳と批評 (講談社学術文庫 (673))


 印象的には妙にスミスの翻訳だけ翻訳する人たちが一子伝承系のお話みたいに熱くなっているような気がします。例えば経済学の古典でいえば、他に最初の『誤訳』にリカードの『原理』やミルの『原理』がでてきてますがそれほど熱い話題にはなってません。ケネーやマルサスの『人口論』など複数翻訳があるのもそんなに翻訳で大波乱を巻き起こしていないですね。最近では、以下の本の翻訳をめぐって論争があったと記憶してますが、一般には関心は薄かったでしょう。僕も詳細は忘れました。


経済の原理 第3・第4・第5編 (名古屋大学出版会古典翻訳叢書)

経済の原理 第3・第4・第5編 (名古屋大学出版会古典翻訳叢書)


 ともあれ新訳は一回は読んでみたいとは思いますが。むしろ山岡氏が誉めてる気賀訳の方に関心がありますね。


国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)

国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)