新古典派経済学は実践的なんですよ


 Fellow Travelersさんからのネタ。ありがとうございます。

 ヴァリアン氏の経済学の方法論についてのペーパーがToma氏のブログで話題になりました。経済学は物理学や生物学とは似てなくて、むしろエンジニアリングや医学に似ている。そしてこの実践的な観点からの経済学方法論はほとんど検証されていない、という指摘です。そして新古典派経済学のモデルの実践的な側面(例えば利用可能なデータが十分でないときはモデルがその説明を代替するなど)を列挙して、日本でもよく目にするような「新古典派経済学=主流経済学は現実離れした役立たずの代物」という批判に応えています。

ヴァリアン論文http://www.ischool.berkeley.edu/~hal/Papers/theory.pdf


 こういった実践的な経済学のあり方を方法的に突き詰めたのは、日本では高橋亀吉(彼の戦前の著作『実践経済学』など)があり、また欧米ではやはりフリードマンの『実証経済学』の方法論論文をあげなくてはいけないでしょう。このヴァリアンの論文は歴史的な考証はないですが、それでも新古典派経済学の実践性を方法論の視座から整理している点で教えられるものがあります。