サブプライムモーゲージ問題悲観派の展望


 サブプライムモーゲージの返済遅延やデフォルト(債務不履行)などの問題に代表される住宅不況問題が消費や投資に一層の悪影響を与えるという「悲観派」の理論的な代表は、クレジットクランチによる不況説を唱えるNouriel Roubiniでしょう。これにクルーグマンも加勢している感じか。実務家ではクレディスイスエコノミストたちや、ほかにはグリーンスパンが相変わらず微妙な表現を加えつつ(笑)警鐘を鳴らして市場に影響w与えています*1。またブログ世界ではCalculated Riskがこの問題に関する情報を一貫して提供していますね。


 Nouriel Roubiniの新しいブログでの内容を簡単に紹介してみると、1)住宅不況は底なんかうってません、2)返済遅延やデフォルトしそうなリスキーなモーゲージの割合は急上昇、3)単にサブプライムモーゲージ市場だけではなく、マクロ経済的なクレジットクランチに波及する可能性高い、4)信用力の高いCDOs(モーゲージ担保証券)市場もかく乱の可能性高くなってます、5)ほかの信用リスク商品へも悪影響及ぼしてます、6)住宅負債の悪化で、消費が停滞している証拠はかなりあります、7)経済はソフトランディングするどころか実質経済成長率0−1%ぐらいのハードランディングの可能性が高いし、早ければ年内第4四半期か遅くても来年には深刻な不況になります、8)FRBの利下げは、耐久消費財や住宅への消費に影響与えないから金融政策でこの不況は防げません、9)世界も巻き込んだ不況になるかもしれません、10)現状の株安は一時的現象ではなく、本格的な不況を示すものです、という10点に渡る悲観派全開の見識を披露しています。

*1:15日の講演でも不況の可能性に言及していますが、他方で住宅不況自体の底打ちを示唆してもいます