半世紀以上前のザモデル論争 


 hicksianさんが地下(mixi日記)に書いてたのでプチ先越されたので(あとネット界では絶対にFellow Travelerさんは知ってたはずw)、蒲焼のにおいだけ書いてあとは若い方に任せますが 笑 昨日のエントリーのかくし芸大会(ケインズもルーカス批判やどこかメール送れ)で盛り上がっているラスカルさんのブログでの論争や、もう知ってる人の方がたぶん少数の苺経済板のザモデル論争は、方法論の次元では、まさにケインズの「わたしたちはみんな過去の経済学者の奴隷である」(簡略でスマソ)言葉が見事にあてはまります。


なぜなら半世紀以上前に、著名な経済学者オスカー・ランゲは以下のように書いていました(hicksianさんからパクリ)


本書は経済理論ならびに経済政策の、ある議論の多い問題に対するささやかな寄与たろうとするものである。この問題についての論争は、その多くがいろいろな著作家たちによって設けられた仮定の差異に基づいている。したがって満足すべき結論に達するためには、当面の問題を経済均衡の一般理論の枠内で論ずることが必要である。この理論は、われわれの問題に関する異なった見解の主張者たちが、一様に受け入れている分析の基礎を提供するものである。

O.ランゲ著/安井琢磨・福岡正夫訳『価格伸縮性と雇用』(序文、p.1)
http://cowles.econ.yale.edu/P/cm/m08/index.htm


(ここから古老=韓リフの知識w)このランゲのいかにもまっとうな意見に対して、方法論の立場から凶暴なww牙をむいたのが、若き元祖リフレ派のミルトン・フリードマン。彼はランゲの方法論をたこ殴り、そして「日本経済のインプリケーション」違)政策論もさらにこっぴどくイカなぐり(?)ということをしました。


 そしてこのランゲ批判から、フリードマンのみんなが名前だけは知ってても読んでないw有名な方法論文「実証経済学の方法論」がうまれたのです。この論文はやがて若い方がまとめてくれるのを期待してますがw ザモデル派vsリフレ派 というだけではなく、ザモデル派vsプラクティカル経済学の対立でもあったのです。フリードマンの方法論文は仮定に関する方法やら実証・反証主義といった側面がクローズアップされますが、それよりも顕著なのは経済分析の実践性と「現実」を追求する反(文化)相対主義的立場といえます。


Essays in Positive Economics (Phoenix Books)

Essays in Positive Economics (Phoenix Books)

実証的経済学の方法と展開 (1977年)

実証的経済学の方法と展開 (1977年)


(付記)もし若い方がたいへんでしたらわたくしでよければ書きますわホホホホ。