石原愼太郎の『天才』読了。石原作品は栗原&豊崎さんコンビのイベントや著作で、かなりの量を読んできてるけど、この著作は面白い。特に前半の東京に出てくるまでと、角栄が倒れてからの「霊言」が読ませる。
経済学者のだいたいは角栄が志向した「均等ある国土発展」路線には批判的だと思う。この「平等」に極端に偏った政策のためにかえって経済成長が鈍化していき、そのために国民全体の厚生が低下してしまったともとれる。わかりやすくいえば、無駄な公共事業の累増とそれに群がる無数の既得権益。日本の闇の構築にも力があったともいえる。

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田中角栄の経済政策の評価については以下を参照

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