第10回河上肇賞選評収録in『環』第60号

 河上肇賞の選評が掲載されている雑誌『環』を頂戴しました。予備選考に残った三作(飯塚数人、後藤和智、大石茜氏らの著作)への選評と結果です。

 個人的には、「時代と格闘する」という観点から、後藤氏と飯塚氏の著作を推しましたが、前者は支持を得られず、後者は防戦一方で、なかなか個人的には難しい選考会でした。特に選評にもありますが、飯塚氏の「俺」を主語表記する点を弁護するために、まさか河上肇まで持ち出すハメに陥るとは思いませんでした。私見では、表記よりも問題意識(時代との格闘というこの賞の趣旨)、そして中味だと思うのですが。ここ数年の河上肇賞のむずかしさを知っていただけるためにも必読の選評です。

環 vol.60 〈特集〉「明治」を問い直す (学芸総合誌・季刊『環 歴史・環境・文明』)

環 vol.60 〈特集〉「明治」を問い直す (学芸総合誌・季刊『環 歴史・環境・文明』)