宮崎哲弥『仏教教理問答』

 宮崎さんの仏教問答三部作の一冊である。ほぼ二年ほど前に一回読んでいるが、かなりハードな内容に思えた。ただし編集が詳細な注をふるなどしたり、宮崎さんが途中途中でわかりやすい例示(小説や映画などの参照事例を用いるなど)をしているので、内容ほどには読みにくくはない。ただし仏教問答三部作は、本作を一番最後に読むことをやはりおススメする。一番最初に読むべきなのは、このブログでもわりと詳細に感想を書いた呉智英氏との対談『知的唯仏論』がいいだろう。小池龍之介氏との対談『さみしさサヨナラ会議』をその次によんで、いまのところのしめで本書を味読しよう。いずれにせよ、宮崎さんの仏教に関する言説は、宮崎さん自身の宗教論を知る以上に、仏教にかぎらず、われわれの生きている社会や経済が直面している根源を問う上で、またもっと身近では対カルト的な知と面するときの心構えとしても重要である。

宮崎哲弥 仏教教理問答(サンガ文庫)

宮崎哲弥 仏教教理問答(サンガ文庫)

『知的唯仏論』についてはここ参照のこと。http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20121229#p2