本日発売の『週刊東洋経済』この一年間の経済書・政治書ベストに投票しました

 僕が入れた著作と順位は以下のとおり。本誌に掲載されなかつた自分のコメントもあわせて収録。

経済は、
アベノミクスのゆくえ』…アベノミクス関連の類書が多いなかで、本格的な分析を行っているという点で他を何歩も抜きん出たものになっている。アベノミクスの三本の矢をそれぞれ、歴史的視点、現在の実証的検討、未来の予測の時間軸から整理している。さらにアベノミクスの課題を具体的に指摘し、それを乗り越える提言も周到だ。まさにアベノミクスを超える一書でもある。

『ユーロの正体』…ユーロ危機の本質は、財政赤字問題ではなく、むしろその赤字を解消することに傾斜した「財政緊縮と金融引き締め」にある、というのが本書の重要なメッセージだ。ユーロ経済圏と日本、アジア諸国との関係など世界経済の展望にもするどい知見が展開され役立つ。

『リフレが正しい。』…黒田新日銀によるリフレ政策が実行されているいまの日本で、その実践的先駆者であるバーナンキの言葉はとても参考になる。

政治は、
『嘘だらけの日中近現代史』…従来の中国の歴史の見直しだけではなく、現在の中国との関係をも再考をせまる、刺激的な一書。語り口のテンポと切れのある皮肉の連打は、読書の快楽をもたらす最高の“毒”書だ。

『マリ近現代史』…注目を集める政治・経済大陸アフリカの、日本人にはなじみのないチリの歴史を通じて、日本とアフリカとの関係、イスラム社会の今後などを考えるうえで示唆に富む。

『嘘だらけの日米近現代史』…米国に対する見方をまったく転換することができる刺激的な一書。その毒舌は若手論客の中でも1,2を争う。

結局、掲載されたコメントは『リフレが正しい。』のだけ。勝間和代さんと並んで掲載されてます。順位は8位に。また僕の経済書第一位の片岡剛士さんの本は総合5位に。

ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める (幻冬舎新書)

ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める (幻冬舎新書)

嘘だらけの日中近現代史 (扶桑社新書)

嘘だらけの日中近現代史 (扶桑社新書)

マリ近現代史

マリ近現代史

嘘だらけの日米近現代史 (扶桑社新書)

嘘だらけの日米近現代史 (扶桑社新書)