藤田孝典『ひとりも殺させない』

 生活に困っている人たちへの支援は「お金」だけの問題じゃない。ひととひととの関わりが重要なのだ。そしてその人間同士の関わりを、社会の制度の中に安定的に組み込むこと、その一手段としてのソーシャルワーカー(相談援助を科学的に行う人たち)の意義を明確にしているのが、本書の中心的なメッセージだろう。

 生活保護をめぐる感情的なバッシングから、具体的な生活保護費の削減案にまで至っている今日、読んでおくべき本のひとつだ。

ひとりも殺させない: それでも生活保護を否定しますか

ひとりも殺させない: それでも生活保護を否定しますか