2013年3月20日。おそらくこれほど日本銀行の政策とその変更が、世論の注目を集めたことは日本の歴史上なかったであろう。「失われた20年」といわれる長い停滞を脱出するために、黒田総裁の下、明確なリフレーション(デフレを脱却し低インフレを維持する政策)が発動される。
リフレーションの日本の理論的な主柱であった岩田規久男氏を副総裁とし、事実上、黒田ー岩田体制として、世界の目はこの日本銀行の新しい政策の在り方に注目し、そして私を含め少なくない人たちが、日本経済の復活をこのふたりと日本銀行の新しい再生に期待している。
私もいろんな偶然を重ねて、このリフレ運動に関与してきたが、ほんの半年前までは、まさかこのような展開が待っているとは夢想だにしなかった。日本銀行がリフレーションをとることはひょっとしたら自分が生きているうちにはないのではないか、とさえ思ったこともある。少なくともあと10年はないのではないか。それが本音でもあった。
しかし安倍首相の再登場により劇的に環境が変化した。なによりも変化したのは国民の多くが明日の経済の姿に希望をもつ端緒がうまれてきたことだろう。まだささやかな芽であるし、国際環境も、また20年続いた停滞の負の遺産も厳しいものがある。
特に岩田副総裁をとりまく環境は厳しいものがあるかもしれない。私のような場外からできることは、岩田先生を微力ながら言論で支援することである。
これから二年、さらにその任期の終る5年が本当のリフレ派の勝負のときだ。
日本銀行ホームページ http://www.boj.or.jp/