安倍首相、「黒田東彦日本銀行総裁、岩田規久男副総裁、中曽宏副総裁」案の提示へ(『夕刊フジ』でコメント)

 黒田―岩田先生ー中曽という組み合わせは、100点満点ではないですが、次善の組み合わせとしてはやむをえないものでしょう。むしろ前向きに、ついに「失われた20年」の最初から日本銀行の金融政策の失敗を批判してきた「リフレ派」(すでに国際用語です)のリーダーが、その日銀の中に入っていく(いまはその可能性だけですが)ことの重要性を評価し、そして賞賛し、また激励したいと思います。

 これでいままでの20年とはまったく異なる論争の局面に入ります。

 ちなみに今朝、まだ確実な案となる前の報道段階で、『夕刊フジ』から求められ、コメントをしました。以下が全文です。お読みになればわかりますが、僕の黒田氏へは態度は、かなり消極的評価ですが、ただ安倍政権の間は黒田氏は、ほかの財務省が差し出してきた候補の中でももっとも緩和姿勢をキープするでしょうし、運が良ければ日銀法改正で、彼の個人的なイデオロギーはたいして問題がなくなる可能性が大きいでしょう。なによりも横に岩田先生がいるはずですから。いまは楽観的に書きます。

「報道されている通りの人事案に決まれば、短期的には黒田氏はデフレ脱却に強い意志を示し、市場も好感するだろう。ただ、黒田氏は円安を批判する中国や韓国などに配慮する可能性もあり、中長期的には金融緩和の“出口政策”をめぐり政治的議論になるかもしれない。日銀法改正を含め、本当の戦いはこれからだ」

個人的には、やはり岡田靖さんにこの光景を一目見せてあげたかった。たまに奇跡は起こり、100%でなくても、それはそれでいいもんだと。