『村上春樹全小説ガイドブック』

 編集の雨宮郁江さんから頂戴しました。ありがとうございます。村上春樹、大好きです。79年のデビューから一貫してファンですね。ほとんどの小説を読んでます。読んでないと思われるのは、この本を読んで思い出したのですが、80年に『文学界』に掲載された「街と、その不確かな壁」、これがファンにもかかわらず当時は途中で挫折! 正直つまらなかったのだと思います。文体がそれまでの『風』や『1973』と異なりすぎたせいもあるでしょうか? 私小説的な感じというか。その後、ご本人もこの作品の再録は認めていないのもある意味ではわかります。ただそのときの私小説的な文体(味噌汁+醤油)が、なぜかスープぽくなって帰ってきたのが、『ノルウェイの森』だと認識しています。ただ本書を読むと『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に作品構成などは発展しているんですね。ただ僕には「街と、その不確かな壁」の(読み切れなかった)味噌醤油味が、『ノルウェイの森』に発展したのではないか、と20数年前ですが 笑 思っていました。

 本書では特に村上作品で映画になったリスト、翻訳リスト、エッセイなどのリストが個人的に役立ちます。寄稿者のエッセイも便利。寝ころんでよめるこの種のガイドブックは昔から好物のひとつです。もしゃもしゃ(羊が食べる音?

村上春樹 全小説ガイドブック (洋泉社MOOK)

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