ペット課税雑感

 民主党が議論しているペット課税だけど、ペットの飼育放棄は、すでに飼われた経験のあるペットの取引市場が成立していないこと、不妊・去勢治療が社会的に最適でないこと、あとは日本では猫や犬についてあまり血統を重んじない傾向があり、これは日本では非常にいいずらいんだけど雑種を好む「バイアス」があることが原因ではないかと思う。

民主党案だとペット課税しても飼育放棄を改善する設計ができてないように思う。まあ、総量規制で結果として飼育放棄が減るという感じだよね。むしろ施設で殺されてしまうペットたちを引き取れば補助金がでて、新しく飼育された子犬・子猫を購入したときに税金を課すのがいいと思うんだけどどうかな。

もちろん不妊・去勢治療についても補助金を与える。そういう設計であればペット課税もいいかもしれない。いまの民主党案だと報道のつたえるところによれば買う段階で課税して、それを施設の運営などにあてるという。まったく市場外的発想で民主党らしい 苦笑(子育て手当の財源という見方もあるらしい、やれやれ政策目的と手段の割り当てがめちゃくちゃ)。

あとは日本では特に雑種バイアスが強かったり、人間になぜか置き換えて差別主義者と叫ぶ人までいるので、おかしいいと思うんだけど、犬や猫の雑種化は極力避けた方がいいと思う。これが飼育放棄を促進している側面もかなり大きい。

まあ、雑種の犬や猫でも市場が成立していれば何も悪いことはないんだけど、実際に、ペット市場で取引されているのは血統書が出るような(出てもいる)犬や猫ばかり。雑種は主に相対取り引きなのだがほとんど機能していない、それに雑種バイアスが強いので不妊も去勢もすすんでいないこともあるように思える。

 なんかこう書いていると優生学的な発想で申し訳ないんだけど、ここらへんの議論をしないとたぶん先にすすめないと思う。ここをみないで議論しても単に欺瞞的なだけで毎年多数の猫や犬たちを殺しているわけだから。

 ペットの経済学というのはまったく欧米含めて進んでいない。やはり優生学的な議論や、施設での殺処分など、生命倫理含めて深刻な問題になるからかもしれない。それにペットで心が癒されたり豊かになる効能は想像をはるかにこえて大きい。ただその大きさがペットの過剰保有を招く一因かもしれない。