鳩山政権崩壊、管直人江戸時代政権誕生か?

 特に大した感想があるわけでもないが、Twitterで書いたことを(微修正して)まとめただけである。

誰が次の首相になっても、名目経済成長率の目標値で、だいたいその政権の性格がわかる。2%ならば財務省の影響が最も強くかつ増税傾斜度大、3%では多少、政治の力が作用。ただしベースは財政拡張。4%(以上)は現状ではありえないが最も望ましい選択肢。

 管直人氏首相になつたら江戸時代が理想らしいので、名目経済成長率の目標値が0とか1%とか、そもそも成長率至上主義を捨てると宣言してもおかしくない。というかそれ(=成長率の目標の放棄)がいまインパクトと熱狂をもって迎えられかねない土壌を日本は有しているかもしれない。

しかし管氏が最近いってるのは、乗数効果11の増税経済学。高橋洋一さんは近著で、これを小野善康さんの助言によるとしている。しかし本当にこれが小野さんの助言なのかなあ? 小野理論では乗数効果がないかむしろマイナスだったのでは?

 ところで、以前ぼくが書いた財務省の中のリフレもどき。これも胎動している模様。まあ、そりゃ、なにもしないよりかずうっといいが、でもこの20年の繰り返し。プチ日銀への圧力で、転々とするだけ。

 どうせ財務省=政府が日銀に圧力をかましてくれるならば、スティグリツみたいに、インフレ目標など生ぬるい(せいぜいデフレ脱却に微温的に使える程度)、失業率激下げまでがんがんに日銀は金融緩和をし、足りなければ(劇的に効果あるので慎重なペースで)政府紙幣を配布。日銀に圧力上等、ぐらいになれば応援するが 笑

 そうそう簡単に書いとかないとたぶんわからない人もいるだろうから。日銀にその都度その都度圧力などをかけて緩和する枠組みと、(伸縮的)インフレ目標のような枠組みに日銀がコミットして行う緩和とはまったく異なる。前者は20年の間しばしば行われてきた。その結果が長期停滞。この区別は重要。

だから民主党マニフェストに、インフレ目標や名目成長率ターゲットや、明示的な雇用の最大化と物価安定などへの日銀の政策枠組みの変更を求めるなんらかの具体的提案がなく、他方でそれを明記しない形で「だが日銀には今後もデフレ脱却を求め続ける」で終わったらまたもや20年停滞のコピペ。

 「日銀には今後もデフレ脱却を求め続ける」なんて類の微温的裁量政策まるだしの文句は*1財務省的リフレもどき派にも十分支持できる考え。で、また20年の繰り返し。長期停滞も前例踏襲主義でまもる優秀なわが国の官僚主義の成果である。これが本当の「東アジアの奇跡」。

*1:さっきのジョークで出したスティグリツはいわば過激リフレ裁量政策で発想が異なるので要注意