僕もなりたや、漫談経済学者

 世界で最初でかつただひとりの「漫談経済学者」を自称するYoram Baumanが初めての単著を出しました。マンキューの経済学10大原理をパロディにした彼の十八番は世界的なヒットをとばしたのですが、彼の著作もまたユニークなカトゥーン(マンガ)ミクロ経済学入門。

 かなり丁寧に造りこまれてて、サンク・コストやコースの定理などのちょっとむずかしめの話題も冒頭近くでサクサク、マンガと一緒にこなれた感じで解説しています。全部は読んでないのですが、これはマンガのクセだけ日本で許容できれば、ぜひ翻訳を出したら評判をとると思いますね。日本でもマンガを使った経済学の本は多くあるのですが、残念ながら、本当にただのマンガになっている(『マンガ日本経済入門』など)か、マンガというよりもただの経済の本ぽいもの(昔でてたサミュエルソンとかケインズの解説本)が多く、本書のように経済学とマンガの説明が有機的に結合しているものは、レモン本二冊を覗いてほとんどないでしょう。英語も簡単なので大学一年生の副読本や教科書としてもお薦めですね。

 ところで漫談経済学はBaumanが最初ではありませんでした。僕…でもありません 笑 ただしリフレ派ですよ、戦前のですが。

 石橋湛山高橋亀吉、山崎靖純らと新平価四人組としてならした小汀利得昭和7年に題名もそのままずばりの『漫談経済学』という著作を出しているのです。世相を経済学、特にリフレ派的な観点から書いた当時としては洒落た経済エッセイ集でした。

 こういう自由な感じの経済物が僕も書けるようになるといいなあ、と思うものですw

The Cartoon Introduction to Economics: Microeconomics

The Cartoon Introduction to Economics: Microeconomics

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