野口旭「構造問題説の批判的解明」を再読

 なんか、「リフレをするとデフレになる」「リフレは小手先」「リフレはスタグフレーションを招く」「需要ショックだから構造問題(あるいは希望を捨てて構造改革)」という珍説奇説の類をようやくみる時間ができた。まあ、できたらそういうものはみないで人生をすごせたらどんなにいいことか! 笑。

 さて2001年に野口旭さんに誘われて『構造改革論の誤解』(東洋経済新報社)を御一緒にさせていただいた。ちなみにこの本はいまだに使える本であり、できればちくま文庫か、岩波現代文庫(笑)あたりで最新版でも出ればいいのにな、と思う。ところで野口さんの著作・論文の中でも一番好きなのが、彼が2002年に書いた「構造問題説の批判的解明」(原田泰・岩田規久男編『デフレ不況の実証分析』所収)というのがある。次に好きなのが宮川努先生との論争を収録したものだが、それはまた今度。

 この「構造問題説の批判的解明」は、『構造改革論の誤解』をさらに一歩すすめたものであったし、同時に冒頭で紹介した珍説奇説素人の放談の類が共通して抱懐している「構造問題説」への周到な批判を含んでいる。今日はこの論文をネットでの共通資源とすべく、やや詳細に再読してみたい。

以下、断続的に更新予定。注目せよ。