もうひとつの日本は描かれたか?−『ジパング』最終回雑感

 ようやく『ジパング』が終了した。この物語はたぶんインドルート攻防戦と石原莞爾毛沢東と会見したことでその物語としてのピークと想像力の多くを使い切ってしまったのではないだろうか? ただ愛読者として再起を期待してそれでも読み続けていた。

 アジアまわりの国際情勢とくに旧植民地関係が「終戦後」にどう描かれるかが、この物語の最重要テーマだと思い注目していたが、ほとんど描かれることなく終わった。インドや中国、そしてソ連との関係がどうなったのか、これでは先のインドルート攻防戦た石原・毛のエピソードが十分に活かされていない。マンガでは受諾したことになっているハルノ―トは、インドネシアと中国本土の権益の全面撤退などしか要求してないので、『ジパング』世界では、台湾、朝鮮半島、あと占領されてないのでカラフトなども領土のままである。もちろん南洋諸島のいくつかとかフィリッピンなどもそのままであろう(立ち読みベースなのでひょっとしたら関係する記述があったかもしれないが)。戦争終了後のもうひとつのあったかもしれない戦後=ジパングが、描かれずに、戦後パートがタイムトラベルの謎解きになってしまいう〜んと思わずうなってしまった。

 これじゃ、谷生の影の前で逃げたそよじゃないか(違

ジパング(1) (モーニング KC)

ジパング(1) (モーニング KC)