アラン・ムーア『トップ10』1と2

 アラン・ムーアだけ強調すると絵を描いた人にタコ殴りされそうだが、まあ、慣例?なのでいいでしょう。この原作がアラン・ムーアの作品の中では最も気に入っていたので翻訳されると知ったときは驚いた。ちなみに原書で読んでたのが1の方だけだったので、今回の2までの翻訳には感謝。たぶんこの本から北米コミックは入門したほうがいいかも。

 ところでしばしば思うんだけど、外国のコミック読みというのはわりともう固定していて、他方で日本のマンガを読む人はあまり外国のマンガに関心がない、というのも固定しているような感じがする。僕なんか(少しは読んでたけど)後者であったのが数年前の「騒動」をきっかけに、これでも体系的に読むようになってきた気がする。それでも伝統的なヒーローものぽいコンセプトの作品にはいまだに拒絶反応が強い。まあ、そうはいってもワンダーウーマンは単行本になったら買って読んでるし(最近はつまらないので奮起期待)。

 まあ、僕みたいなマンガ読みとはいえないけど、世界どの国も問わずに雑食性でマンガを読む人がもっとまわりにでてくると嬉しいけど。多くの人が日本のマンガに依存している感じがしすぎてバリアーを感じる 笑

 BDみたいなフランスのマンガもそうで、これも読者層が固定しているような感じ。他方で日本のマンガ読みはあくまで「あったら読むかも」的な受動的ないし無関心派が大多数。

 それだけ日本のマンガ読んでればいい、という状況があるのかもしれないが。その一方で、今回のアラン・ムーア祭りとでもいうべき現象がなんか不思議な気がする。こんなこと書くと問題発言かもしれないがw アラン・ムーアはすでに最先端のコミックではなく、多少オールドな感じがするわけで。とんがり具合よりも、いごこちのいいソファみたいにすでになっている。まあ、いごこちのいいソファだけでなく、とんがった椅子にも座りたい人には、ちょといまの日本のコミック事情は偏っているような気がしている。

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