アクセル・レイヨンフーヴッド「エコン族の生態」

 飯田さんが「経済成長って何で必要なんだろう?」(光文社)の中で、レイヨンフーヴッドが、数理経済学が神官階級、ミクロ経済学が武士階級。マクロ経済学が平民、応用計量経済学が穴掘り職人である、と書いているとしている(34ページ)。で、ミクロ経済学は何か偉いから武士階級だとされているとのこと(笑

 しかし、レイヨンフーヴッドは数理経済学と応用計量経済学はいいとして、ミクロとマクロの両方については、飯田さんが書いたようには述べていないのではないでしょうか?

 各階級はその作るモデルによって特徴づけられて、一番偉いのはやはり数理経済学。しかしマクロ階級とミクロ階級は争っていてその序列は不確かである。傍観者がみれば以下のように似たトーテムを所有しているのにw

 そしてエコン族は貧困状態にある。モデル作りから生じる廃棄物や、穴掘り職人による乱開発などでw。こういうブラックな描写で、モデル作り偏重に堕した職業集団の制度化を批判したのが、レイヨンフーブッドの「エコン族の生態」の主張であった。この論文は下の本の中に収録されている。

ケインズ経済学を超えて―情報とマクロ経済 (1984年)

ケインズ経済学を超えて―情報とマクロ経済 (1984年)