武藤秀太郎『近代日本の社会科学と東アジア』

(付記)大学にいきましたら、武藤さんご本人からも頂戴しました。どうもありがとうございます。

 ご恵贈いただきました。ありがとうございます。武藤さんの従来の研究をまとめた野心的な著作ですね。福田徳三の朝鮮、中国論についての変遷が、大正デモクラシー前後における福田の社会観の変容と関連されて論じられているところが勉強になります。ここらへんの問題は、僕も武藤さんの本で参照いただいている福田の朝鮮論で論じたので、その比較対照の意味でも大いに参考になりました。特にいま福田徳三論の詰めで悩んでいるのでその意味でも若手のこの労作には刺激をうけますね。ただ僕とは異なって、武藤さんの著作には経済学的な要素(大塚史学や宇野派、講座派の「経済」的思考は僕には経済学ではないように思えるので)が希薄なところが、僕との相違でしょうか。

近代日本の社会科学と東アジア

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