関西大学にいき、以下の報告を聴く。
第1報告
仲北浦淳基・西岡幹雄(同志社大学経済学研究科・同志社大学)
「社倉と『固寧』理念ー懐徳堂と小西惟冲:大坂と播磨・龍野ー」
第2報告
本郷亮(関西学院大学)
「日本社会政策学会と厚生経済学」(関西学院大学)
中井竹山の社倉については西岡さんが以前から研究を重ねているのは存じあげていたのだが、今回はまったく僕には未知の人、小西惟冲の社倉政策についてで、米と銀を巧みに運用した公益目的のファンドとして理解する点がとても興味深く、また当時の資料やデータもあってとても勉強になりました。中井竹山の著作も読んでみたいなと思います。
それと本郷さんの発表は、論題からは日本社会政策学会の活動における厚生経済学との関連かな、と思いましたが、実際には福田徳三のピグー批判が中心になったもので、その意味では主題表記がちょっと誤解をうむかなと思いました。会場でわかった副題は「福田徳三の厚生経済論を中心に」というものがついていました。まず思ったことは、僕の福田徳三についての「価格の経済学と厚生の経済学」という論文がもろかぶりの先行業績になるはずなのでそれへの言及がなくきわめて残念でした。たぶんご存じなかったのかもしれません。かなり遠慮なく率直な意見をいくつかいいましたが、これからの研究の進展を期待しております。
福田徳三がこれだけ中心になるとは思っていなかったのでスマホに入っている情報だけをもとにしてコメントしました。そのため不十分だったところを以下に情報付加しておきます。
社会政策学会が戦前に休止する最後の大会(1924年)の福田の報告要旨は以下にあります。会場では別な書籍にある労働法関連のものを指摘しましたが、そちらはもう数年後ですね。