オタクよりも朝日新聞の遺伝子?

 漫棚通信ブログ経由で知ったけれども、今年の朝日新聞主催の手塚治虫文化賞が決まったらしい。そのラインナップをみて思わず微苦笑した。

 なぜなら去年のマンガベスト10と称してここでとりあげた作品が四作品中3作を占めている。しかも「ダークホース」といわれる『劇画漂流』は僕にとっては去年読んだマンガの中では屈指の名作だった(ここここ参照)。そして『パノラマ島綺譚』は傑作といったのだが、面白いことに2008年度のアンケート中心のベスト本では、両方ともほぼ無視されていた(虫で思い出したが昆虫探偵は依然無冠であるw 昆虫を愛した手塚にこれほどふさわしい作品はないだろうに)。マンガ好きだか業界の人気投票か、宣伝なのかわからないような作品がごろごろ並び、選んでいる人たちに甚だしく疑問符を投じてきたのだが。どうもアンケート本よりはこの手塚賞朝日新聞社)の選考のマインドに近いのかもしれない。

 この賞の選考委員をみてみると複雑な思いがするのだが、丸尾氏の作品はともかく、このブログでもずっとファンを公言(ここここここ)してきた辰巳ヨシヒロ氏の受賞はうれしいようなさびしいような複雑な気持ちである。マイナーな帝王でいてほしいという贔屓の引き倒し的マインドがどうもあるのだが 笑。