研究会備忘録

 懇親会の後に、多くの人たちは文化的歌声空間へ 笑。僕はがどうもその種の「文化」が苦手なのと、今日の研究会で知ったいくつかの本を買いたいのでお先に失礼する。本日の研究会も収穫があった。特に中世の経済思想関係で面白い本をいくつか紹介していただいた。例えば、ピーター・ブラウンの『古代から中世へ』(山川出版社)。ここに収録されている「貧困とリーダーシップ」は、いわばノーブレス・オブリージュや「高貴な責務」の起源を古代末期でのキリスト教団における司祭の役割の変化ー「貧者へのケア」−に注目したもの。これは今日的な貧困対策を統べる施政者のマインド研究として重要だと思う。そして大黒俊二氏の『嘘と貪欲ー西欧中世の商業・商人観』(名古屋大学出版会)。たぶんいまさら説明不用な著作なんだろうけれどもうかつにも見逃してました。これは自己欺瞞論との関連で使える基礎資料として、僕にははずせなさそう。ほかに、研究会のメンバーの主力構成員(ショッカーみたいだがw)が、なぜか注目していたジョヴァンニ・アリギ『長い20世紀』(作品社)。たぶん今日の研究会にいかなければこの本が注目されているのに気がつかなかったろうなあ。

 今日の研究会の出席者の多くが寄稿している以下の本のご紹介も。

ビジネス倫理の論じ方

ビジネス倫理の論じ方

 この本の著者のひとり、中山智香子さんと久しぶりにお会いして、上のアリギの本と、この本に水俣病について書かれたことをお聞きした。そういえば、石牟礼道子全集も残すはあと3巻なんだ。完結が楽しみですね。

 しかし普段はちょっと関心の埒外にあるいろいろな情報をゲットできたのがうれしい。それにしても中世の経済や経済思想の研究がかなり様相が一変しているような印象をもった。本日最大の収穫か。