政府紙幣をめぐる低次元のいざこざなど

 政府紙幣の議論がやかましい。そもそも1933年のときにルーズベルト大統領が、リフレーション*1として正式に政府紙幣を議会の承認を得て発行権を得たことがある。もともとは農業救済案の一部で認められたもので、確か金額は30億ドルだと思ったが(ちょっと手元に資料が乏しいので不正確かも)、かなりの巨額である。


 もともと各州でも先日書いたようにスタンプ・スクリップ(日附貨幣)なども流通して取引の増加に貢献していたわけで、このような政府によるマネーの発行も当時の停滞脱出策としてはウェルカムだったわけである。なぜなら中央銀行(いまの日本では日本銀行)がちゃんと市場にマネーを供給していないからその乏しい分を政府や地域政府が補っただけである*2
 
 しかし今日の日本では、なんだか知らないが、国債と同じだとか(笑)、日本銀行へのプレッシャーにすぎないとか(そう思う日本銀行が悪い 笑)、円の信頼を損なうとか(そもそも信頼とは何かいってる本人も理解してない=いってる人の信頼が疑わしい)*3、こういういろいろへんてこな議論がまかり通っているようだ。


 政府紙幣はとやかくいわずに(日銀との昼食会も別にやらなくていいから 笑)適切な額を供給すべきである。


 地方紙幣については、本当に住民を心配しているならば、なんで地方自治体では日付貨幣みたいな政策をとらないんだろうなあ。定額給付金に反対するくらいの智恵しか浮かばない首長しかいないわけで 笑。

 
 すべて国のやっていることの愚直な物まねにすぎずに、およそ独自性に乏しい。それで道州制とかいっているわけで、これもなんだか結局は中央の押し売りを真似しているだけなんじゃないのかな。

*1:当時のI.フィッシャーの表現

*2:そのときの日付貨幣のスタディケースをフィッシャーが整理しているhttp://userpage.fu-berlin.de/~roehrigw/fisher/stamp5.html

*3:600兆円政府紙幣発行というあまりに巨額すぎる発行をいう人もいて、ふつうの政府紙幣論ーせいぜい25兆から35兆円ぐらいーとまぎらわしい。600兆円などというのは、GDPギャップがせいぜい二年で100兆円前後でしかない日本ではあまりにも巨額であり、こんなものを市場に放出したら間違いなく高インフレになる。この巨額の数字は、僕からみると合理的な理屈が思い浮かばないが、世界共和国でも想定しているのか???