給付金反対60%超と本当に何もしてない麻生政権

 朝日新聞の一面では世論調査の結果がでていた。みんな給付金が嫌いなようである。僕は給付金を止めることには反対してもいい。もっともいまのスキームではダメな点は何度も書いているのでそれを参照にしてもらいたい。ダメなものでもなんらかの効果があるし、やらないよりはいいからにすぎない。

 さてエントリー題名には「本当に何もしていない麻生政権」と書いた。僕はいまの景気の減速がかなり深刻だと思っている。これはあとで追加して書くが、日本銀行FRBの政策の違いの究極的な理由にもなるのだが、日本の政府は事実上、日本銀行との政策協調に失敗している。もちろん当事者は失敗しているとは絶対に認めないだろう。しかし景気減速(しかも多くの政府関係者はお馴染みのレトリック「100年に一度」を使っているので相当深刻な意識をもっているのだろう。まあ、ただいってるだけ、という可能性もある)に対して、政府と日本銀行は協調しては本当に何もしていない。

 例えば現状で、日本政府と日本銀行が政策について直接議論ができる場は、経済財政諮問会議しかない。久しぶりにこの会議の要旨をさきほどみて愕然とした。まったく日本銀行の取り組みについて言及はないのだ。メインテーマは毎回、財政再建だけ! 「100年に一度」の不況がメインテーマになることもない。ただ単に役所主導の文書を作成するための証拠(発言)を保存しているだけが役目である 苦笑

http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/index.html

上は直近の会議だが、やはりテーマは財政再建 笑。2008年も社会保障とかテーマだがすべて財政再建に収束するテーマだけである。

 アメリカの経済政策と日本の経済政策の究極の差異は(もちろんこれが結局は日銀とFRBの差異にも繋がる)、麻生首相がマンガばっかり読んでるバカだからではない。深刻な不況ならば協調して事態にあたらなくてはいけない政府と日本銀行の共通の政策交渉の場がまったくないこと、また議論する場(経済財政諮問会議)でもまったくスルーされている。

 これは簡単にいうと、「100年に一度」の深刻な不況という政治家たちの発言はみんな嘘偽りか、やはりマンガ読みすぎでバカになってるか(結局でてきたが 笑)のいずれかであるか、ただ単に無知であるかであろう。少なくともせっかく日本銀行がでてきているほとんど唯一つの議論の場が、いまの深刻な不況対策の標準と乖離していることは上の発言者の発言からも明らかである。