コメントきたのでついでに。ノーベル経済学賞受賞のフォーゲルらが奴隷制が「効率的」だといったという話だけれども、これただ生産性が上まわっているというだけで、そのブログで話題にしている「配分の効率性」に直接関係する問題ではない、というのが通説。そのブログでは、労働サービスの配分の効率性の問題だとかいっているようだけれども、そんなことをフォーゲルたちはいってもいない(原論文みれば明確に否定)。配分の効率性自体を、パレート効率性、カルドア・ヒックス基準などの観点から、ローレンス・ホワイト教授がこの論文(http://cniss.wustl.edu/workshoppapers/whitepaper.pdf)で検証しているけれども、奴隷制が自由雇用制よりも配分の効率性の点で優位であることは極めて疑わしい(事実上否定)。
この種の議論をわざわざ当人たちの主張を度外視して。それより疑問なのはなんの理論的検証もせずに、奴隷制が配分の効率性で自由雇用制よりも優位するなどという主張として論じてる人は誰もいないんじゃないの、そのブログを除いて。
(注記)コメントが来たので一応書いたけれども、よくあるはてブでは、田中はなぜ名指しで批判しないか、というご意見をみる。そりゃ、だって面倒だから。得るものないし。また実りのない議論に時間割くのは基本的にムダ。つまり議論する気ゼロ。ただの見世物がみたいなら映画館でもいってほしい 笑。それでもこれを書くのはそこそここのブログもアクセス数はあるので、ただの見世物見たさではない人には、検索するコストを払えば、代替的な考えを提起することができるから。