高橋さんの一連の持ちネタのうち本書は、埋蔵金、リフレ、道州制に重点が置かれていて、他には自民党の総裁選候補の特徴付けにからんだ自民党内の路線についての分析などが書かれている。道州制については、僕は高橋さんの説明を聞いても実はあまりピンとこなくて、道州制で地域間競争みたいなものが起きてそれで効率化がうながされる、ということなんだけども、これって発想的になんとなく「国家間の競争力」と似た発想を感じる。まあ、ここらへんは僕もよくわかってはいないのだが(テーマが苦手)。
リフレについては中川氏とともに最優先ランクになっていて頼もしい。それによくリフレ派は政策的実現性に乏しいというけれども、わが賢明なる日本銀行、財務省もよくリフレ的政策の有益性を理解しているのは各種情報から明らかだと思う。量的緩和や円安介入(擬似スベンソン案)などはリフレ的な発言がでればそれを叩いていたにもかかわらず、結局は政策に導入した。問題なのは危機的な状況という「追い込まれた政策」としていずれも採用されていること。そして効果があったあとに急速に手仕舞いするのも共通している。まあ、今回はどうなるのか。国民のひとりとしては、高橋さんの今回の本にも詳述されている財務省、日本銀行の省益、厨益を今後も明らかにしていきたいところ。
今回も高橋節は健在であっという間に読める。
- 作者: 高橋洋一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/10/10
- メディア: 単行本
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