福田内閣改造の経済学

 床屋政談プラス 程度の感想。

 伊吹財務相、与謝野経済財政相、二階経済産業相、おまけに麻生幹事長か。もし仮にいまだに「上げ潮派」と「財政再建派」という「虚構」が存在するとするならば、これは完全に「財政再建派」の圧勝だよね。

 経済成長と「構造改革」重視というスタンスはとうに破綻しているけれども、この布陣からみるに、早いところ(形骸化している)経済財政諮問会議は電気代がもったいないので廃棄して、それこそここであげた胡散臭い話http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080725#p1みたいに財務官僚と日銀のお手盛りで昔ながらに交渉させたほうがまだ地球に優しいでしょう 苦笑。

 さてまじめな話、僕のいまの日銀の金融政策に対する見解は語るにも値しないので当ブログでも一時期に比べるとまったく言及回数が落ちている。いいかえるといまの日本経済に与える影響度が悪い意味で中立的 笑。

 白川氏も日本銀行総裁というよりも、日本銀行教授みたいなコメントを繰返すだけで「現状維持」の結果だけ確認すればすべて足りる。

 そのため日本銀行幹部が何を発言したり、将来やりそうか、というよりも日本経済の将来をみる上では外国の状況をみてたほうがいいでしょう。

 ところが、景気の後退局面にある現状の日本経済において最大の不安定要因が、このいわゆる「財政再建派」といわれる人たちの増税路線(経済成長率重視やまあまあまっとうな改革の放棄)であることはまちがいないことでしょう。

 昨日のエントリーにあるように、かって石油価格が高騰した時代に、「インフレ」を警戒するあまりに急激な金融引締め政策を採用したことが、厳しく長い不況をもたらしたんだけれども、今回の日本では日本銀行は責任回避的に何もしないだろうだろうけれども、その一方で政府(財務省)が増税のブレーキをかければ結果的に「自爆」的現象が生まれるかもね。

 「オタクの味方」みたいなイメージ戦略で売っている爺様を選挙の顔にせざるをえないほどローカル化しているいまの自民党が、この改造で人気がそんなに急上昇することもないと僕は見ている。そうなるとすぐに不人気な「増税」はいわないけれども選挙後にはその本音がでてくるでしょうね。でもその一方で、どうせ選挙ではよくてもしょぼい勝ちしか自民になさげな現状では、参院の状況をみるにいまよりも不安定な政治状況に陥るのは必定。そうなるといったいどうなるか。やはりいまから政治の裏ではがちゃがちゃぽんのシナリオでもすすんでるんじゃないのかな。そのときにこの財政再建派といわれる布陣がどう生き残りどう行動するのか? それはまさに床屋政談的に不可知な領域ですなあ。

 日本の政治状況もレームダック化がきわまって、官僚と日銀だけがうはうはで、国民が青色吐息と。まるで金×勝氏でもいいそうなコメントになってきたな ニガ笑。