フリードマンの香港論(補遺)

 富柏村さんからメールをいただきました。数日前の当ブログのミルトン・フリードマンの香港論の僕の解釈について重要な修正意見を提起していただき、非常に参考になりました。確かに富柏村さんの書かれたように読んだ方が豊かですね。どうもご教示ありがとうございました。

 以下は頂いたメールの一部から

:ところで、失礼を承知でメールを差し上げましたのは、田中様の最近のブログでの言及でフリードマン教授の香港に関するコメントが引用されていたものについて、でございます。
亡くなる直前のフリードマン教授が香港経済についてWSJ紙に述べたもので、もう2年も前のことがまだ強く印象に残っております。ご指摘の通り、かなり香港の将来に不安を抱くフリードマン教授、確かにその不安は的中しているのですが(笑)、ただ、背景として、この発言は、香港の現任の行政長官(Donald
Tseng)が中国政府も介入する、現行の香港の経済統制について非難を受けた際に、香港の自由経済と言われるものは実は英国統治時代から統制されてきたもの、と発言したことに対して、フリードマン教授が反論を試みたもの、と理解しております。香港政府がこんな認識を続けるなら香港経済は将来的にかなり悲観的にとらえなければならない、というところでしょうか。
田中様のようなご専門の方は別として、このフリードマン発言の経緯を知っている方は日本語では少ないと思いますから、フリードマンが香港の将来にかなり悲観的、と言われると、ちょっと誤解される方もいるのではないか、と思いました。
この投稿をした数ヶ月後に亡くなったため、まるで市場経済の自助力についての教授の遺言のように読めると思います。:

 富柏村さんのブログはここです。富柏村日剰 香港日記http://d.hatena.ne.jp/fookpaktsuen/