宮崎哲弥『仏頂面日記』

 家人が放っておいた『週刊文春』を読む。この雑誌を読むのも久しぶり。宮崎哲弥氏の連載は、最近このブログでも言及した『蟹工船』ブームについて。宮崎氏は『蟹工船』の世界に魅かれたら、次に映画版の『戦争と人間』の鑑賞をすすめている。笑。『戦争と人間』についてはこのブログでもとりあげたけれどもhttp://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070123#p1、まあ、すごいよ。どこがすごいのかは鑑賞してのお楽しみということで。笑。山本薩夫の作品では地味だけれども石川達三原作の『金環蝕』が面白かった。

金環蝕 [DVD]

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 ところで宮崎氏は映画は『戦争と人間』をすすめて、他には‥‥と連載をしめているけれども、もし『蟹工船』の世界に魅かれたならば、広義の経済学関係で当時の特高の取調べだとか社会の雰囲気を、『戦争と人間』の山本圭風の心象で学びたい方は、手前味噌漬けですが、以下の私の著作が超おススメです(この本はもう在庫僅少なんですが、出した当初に三部作の予定を当時なんのあてもなく立て 笑 第二弾がいま必死に書いてる福田徳三論になるはずです)。住谷悦治氏は僕の知ってるマルクス主義者の中でも最良の人のひとりですね。この本とこの人の生涯と比較してぜひ読んだほうがいいのが、鎌田慧(お、なんかそれっぽいでしょ? 笑)の『反骨』ですね。この両方の著作を読めば、マルクス主義的なものの心象を理解するには必要十分ではないかと、手前味噌漬け半分で思ったりします。

沈黙と抵抗―ある知識人の生涯、評伝・住谷悦治

沈黙と抵抗―ある知識人の生涯、評伝・住谷悦治

反骨―鈴木東民の生涯

反骨―鈴木東民の生涯

 それともしマルクス主義丸出しの経済学書で読むべき一冊をあげろ、といわれれば、僕は迷うことなく風早八十二の『日本社会政策史』をあげます。一般には大河内一男の著作と並ぶ生産力理論の名著として著名ですが。青木文庫に収録されたたのもなんかそれぽく、「5分間ごとに脳ミソがしびれる」(テディ片岡風)こと請け合いで〜す。

日本社会政策史〈下〉 (1952年) (青木文庫〈第31〉)

日本社会政策史〈下〉 (1952年) (青木文庫〈第31〉)

 マルクス主義への抗体は特に指定するまでもないかな、と思いますから以下略(あえていえば稲葉さんの『経済学としての教養』などでしょうか?)w