日銀総裁は小委員会で選べ(高橋洋一『エコノミスト』論説)


 暗黒卿ウォッチャーの仲間(笑)、オオガラスさんからのお知らせでまたまた知る。ありがとうございます。『エコノミスト』の臨時増刊号での高橋洋一さんの論説は、「いま日本はモノの値段が上っているのに、なんでデフレなの?」というよくある疑問に前半簡単に答えている好論説です。日本の経済系ブログでもしばしば指摘されてますが、個々の財の価格は基本的に需給関係で決まり、一般物価水準は国内で流通するマネーの総量で決定しているという違いがあるわけです。


 そしていまの日本はこのブログでも繰り返し指摘しているようにデフレの深化の方が懸念される(yanoさんのブログでも指摘されたように)高橋さんも同じく景気ウォッチャー調査などから日本経済の悪化を指摘し、その原因を日銀の政策の失敗に求めています。


 さてそれはさておき日銀総裁の話題ですが、まっとうな意見は「総裁が誰かよりも、総裁が何をするか」では衆目の一致するところでしょう。いまの総裁選出は総裁就任後に何を彼がするのか、その「コミットメント」がまったく公衆に明らかではない、ということが問題です。その意味で総裁選出過程がオープンでないかぎり金融政策の信頼性にも曇りが生じる可能性が大きいでしょう。


 高橋さんは、国会で小委員会をもうけ、総裁候補者にヒアリング、そして与野党双方が候補者リストを提出する、このヒアリング過程で、総裁候補者が政策目的として何にコミットしているかが明らかにされるだろう、としています。


 現状ではマスコミへの与野党の情報提供によって例えば武藤総裁容認などが公衆になんとなく伝わっています。従来と同じ密室型で選出されるのかもしれません。

http://www.nakagawahidenao.jp/pc/modules/wordpress0/index.php?p=802

 この場合はいままで誰が推薦し、誰が選出過程で決定的だったかが不明瞭でしたが、ほどほどに与野党トップがそれに関与したことが示されることがメリットくらいでしょうか。