中国は「バブル」なのか?


 やはり「バブル」は崩壊してみないとわからない。Baatarismさんの最新エントリーを読んでいての感想なんですが、キーポイントはインフレ率にあると思います。原田泰さんが以前書いたことですが、いわゆる北京オリンピック後の不況があるのか否か、それがあるにしても深刻なものなのかどうかは、インフレ率と経済成長率との関連に依存していると思います。オリンピック前に過度にインフレ率が高くなければオリンピック不況はない可能性が高い、という主張でした。中国国家統計局の最新のデータですと、CPI(消費者物価指数)は以下のようになっています。



In October, consumer price index (CPI) was up by 6.5 percent over the same month last year. Of which, urban area and rural area rose 6.1 and 7.2 percent respectively. The price of foodstuff, non-foodstuff, consumable and service expanded 17.6, 1.1 and 7.8 percent respectively. CPI made 0.3 percent growth over that in September.


 食料品を除くコアインフレ率は1%台なのですが、豚肉要因をはじめ食料品の価格上昇率が平均物価上昇率(11月は前年同月比6.5%、ちなみに年間では4.5%の予想http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-28551720071026)を高いものにしています。この点に関しては昨日は批判しましたが(笑)、最近では加藤出氏の論説が参考になるでしょう。


http://diamond.jp/series/money_market/10008/


 コアインフレ率でこの場合、判断するのがよさそうですが、そうなると原田仮説によればいまのところ「バブル」崩壊は、インフレリスクの点では起りそうもありませんね(いまのところ)。


(付記)しかし加藤出氏の論説は日本と中国では同じ状況でも随分彼の結果が異なるように僕は思えるなあ。中国はインフレリスク低く、資産市場はご存知のように人によっては「バブル」「バブル崩壊」というだけ高水準で推移しているのに、中国の政策への現状追認。それに対して日本はインフレリスク低く、資産市場は低位不安定なのに、彼は金利上げを応援しているようですから。