鈴木正俊 『経済データの読み方』新版


 うお! まさかこの第二版がでるとは。名著『経済予測』や『昭和恐慌史に学ぶ』で著名な鈴木氏が書かれたこれまた類書にないまっとうなコメントを付した経済データの読解本。世評高い第1版から10数年を経て新版がでた意義はきわめて大きい。最近の門倉さんの『統計数字を疑う』とともにハンディなデータ本として必備でしょう。まだ全部読んでないですが、基本的な発想はリフレ的なのもグッド(というかリフレ的というのも実は日本だけの現象で、デフレで不況が深刻なときは積極的なマクロ経済政策を採用するのが常識。それを日本でわざわざリフレ派と称さないと商品としても啓蒙としてもなかなか流通しない不幸な環境が日本で成立していることの意味を毎日のように僕は考えています)。格差社会論にかかわるデータ解釈は私とは違いますが、全体的に超おススメ。

経済データの読み方 新版 (岩波新書)

経済データの読み方 新版 (岩波新書)