苺掲示板みてたら以下のコメントが
<570: 名無しさんの冒険 2006/11/07(Tue) 17:14
>「少子化を憂う必要はない、格差社会が広がりコンドームを買えない貧困層が増えれば子どもはすぐ増える」
(田中略)
さすがにこれはネタだろ? >
検索したところこれは「都市伝説」風に流布しているみたい。もともとの発言者とされる某氏がどこで発言してたかわからないのでとりあえず、これは発言者不明の「都市伝説」として扱わさせていただきますと、果たしてコンドームを買えないと子どもが増えるのだろうか? という問題は結構興味深いものです(ちなみにそこのあなた、私は格差社会是認とかしてませんので脊髄反射的に熱くならないようにねw)。
実は梶ピエールさんからネタとして頂戴したままオクラに入ってたのに、ティム・ハーフォードのオーラルセックスの経済学というのがございます。
http://www.slate.com/id/2148583/fr/rss/
これは避妊具が高くなってその代替としてオーラルセックスの需要が高まったこと、HIVの危険性の周知、中絶のコストの高まりなどがこれまたオーラルセックス増加に貢献したということ、をハーフォードはいっております。
とりあえず米国のオーラルセックス事情は以下のレポートを参照ください
http://medwave2.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/medwave/tpic/371484
これをみますとあたりまえですがオーラルセックスといえども(?)感染症からフリーであるわけはなくこのレポートにあります危険要因に直面しておりますが、むしろ若い方々の「信念」「情報不足」などに由来してオーラルセックスが選好されてしまっているようです。
では日本の方はといいますと、若い方々でやはりオーラルセックスの普及?率は高まっているようです。
http://www.acc.go.jp/kenkyu/ekigaku/2000ekigaku/eki_015/015.htm
<過去1年間にフェラチオ、クンニリングスは6割近くで行われ、若い世代ほど割合が高く、性行為の多様化が進んでいる傾向が伺われた>
またこんな報告もございます。
http://medwave2.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/medwave/tpic/325403
その一方で米国と同様に感染症に対する知識・情報の普及には問題が多いようでして(二つ前のリンク先を再び参照ください)、性行為感染症(STD)についての情報の普及がよりいっそう必要なのでしょう。
ちょっと話題がずれましたが、以上も勘案しますと「都市伝説」の実現は微妙でございます。
まず前提の「格差社会」の実現をふせぐことこそが重要なのはいうまでもありません。また少子化社会の脅威はサプライサイダーの方々の常套句ですのでこれはとりあえずゴミ箱に捨てておけ、というのが戦前の教訓でございます。これは念為で書いときますね。
その上でこの「都市伝説」の可否を考えますと、まずコンドームの安価な代替としてオーラルセックスが増加してその結果子どもが増えないかもしれない。他方で確かにオーラルセックスをするコスト(性感染症のリスクやジョン・アービングの小説みたいな自動車事故にあうリスクなど)の認知が普及するかもしれないけれども、それがコンドームなしの膣性交を増やすかどうかといえばそれはないだろうと予測されます。
というわけでこの「都市伝説」は「伝説」のままヤミにはいるべき代物に思えますが、みなさんはいかがお考えでしょうか?
(注記)某氏の発言ソースキボン。超暇なときがあったら自分でも探しますけど。