上念司さんが前仙台市長梅原克彦さんたちと勝手に復興会議

 『震災恐慌!』の共著者であり、なによりもデフレ脱却運動の中核である上念司さんのトークイベントの紹介です。。

日時: 2011年9月6日 19:30 場所: ネイキッドロフト

経済評論家 上念司 プロデュース
仙台市梅原克彦さんと勝手に復興会議 政府の無策で遅々として進まない復興事業。もう黙ってみてられな​い。 増税ばかりのアホな復興会議にはもう任せられない。 前仙台市長の梅原克彦氏をお招きし...、被災地のために必要な政策をタブーを恐れず大胆に提案すると同​時に、聴衆のみなさんとも議論をしてよりよいプランを検討したい​と思います。今こそ国民の声を震災復興へ! 【出演】 上念司(経済評論家) 梅原克彦(前仙台市長) ゲスト 倉山満(憲政史研究家、国士舘大学講師) OPEN18:30 / START19:30 前売¥1,500/当日1,800(共に飲食代別) ※ご予約はネイキッドロフトweb&電話で受付中 電話→03-3205-1556(16:30〜24:00) web→http://www.loft-prj.co.jp/nake​d/reservation/

震災恐慌!?経済無策で恐慌がくる!

震災恐慌!?経済無策で恐慌がくる!

馬淵澄夫前国土交通相の反増税・脱デフレ論

 馬淵さんの日本経済についての考えの根幹が示されているエントリーだと思います。

復興財源に増税は誤りhttp://mabuti-sumio.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-9af3.html

復興の議論は、復興債の財源措置のための増税の是非に集約
されつつあることに疑念を感じる。

復興債は復興基本法の定めるところの復興資金確保のための区
分管理による公債と定められているが、償還の道筋を明らかに
するものとする、との定めから10年償還、基幹税などによる
財源措置などの議論となっている。

しかし、この発想は財政法15条による災害復旧のための公債発
行の概念を援用したに過ぎない。

 百年に一度、あるいは千年に一度の地震津波による都市の
消失、社会資本の喪失は区分管理はもとより長い年限での償還
を前提にすべきだ。
16.9兆円とも言われた内閣府推計の被害総額は原発事故被
害などを含まない社会資本関係の総額。詳細はまだ明らかでは
ないが、関係する機関の概算で民間インフラ以外だけでも10
兆円規模の社会資本整備となることは間違いないであろう。
いずれにしても、これらについては見合いの資産が必要な社会
資本として提供されるわけだから建設国債(60年償還)を充
てることは十分妥当だ。
前政権下における、景気対策で行った「掘って埋める」式の財
政出動(公共事業)とは意味が違うのだ。

 このような状況にもかかわらず、なぜ、短期間の償還公債を
規定して財源を税としていかなければならないか、僕にはまっ
たく理解できない。

 いずれにしても、今は何よりも復興と同時に経済をどう発展
させるかに尽きる。

経済発展というパイの拡大以外に現時点で政府がとりうる道は
ない、と信じる。こう述べると必ず、もはや経済の発展などは
望めない、経済至上主義者との決めつけをされるのだが、僕は
経済の世界で生きてきたものとして「持続可能でゆるやかな成
長」を否定するわけにいかない。
忘れてはならないのは、戦後の高度経済成長を経て、世界中の
先進国も名目GDPの2~3パーセント成長、すなわち緩やか
なそして持続可能な成長をめざし、そして実現またはその努力
を積み重ねている。

98年以来の長きにわたるデフレ経済を、所与のものとし、何
ら効果的な金融政策を打ち出そうとしなかった反省こそ、今行
うべきではないのか。

 テレビで僕は景気回復のための金融政策「量的緩和の実施」
を訴えたところ、コーナーキャスターは「お金をばらまく」と
説明した。まったく違う。
金融市場の資金ボリュームを上げるということをご理解いただ
けていない。

やはり、言い続けるしかない。

僕もそうだと思います。メディアはあいもかわらず、小沢vs反小沢、経済について触れるとすぐに官僚の耳学問レベル(日本銀行財務省発のもの)を垂れ流すだけです。メディアの人たちの不勉強ぶりはおそるべきものがあります。また増税志向の財務省増税派の別動隊の御用学者や御用エコノミストにも脅威すら感じるのです。この国でまともな政策を実現するには言い続けるしかないでしょう。

量的緩和の効果 http://mabuti-sumio.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-aa4c.html

 一番の課題と言えるのは日銀が実施した量的緩和の買いオペ
の内容である。

白川日銀総裁が「現代の金融政策−理論と実際」でマネタリー
ベースと日銀の取引統計から量的緩和期間のマネタリーベース
の推移を記している。これを見ると、量的緩和期間に当座預金
残高は600%増、保有長期国債は160%増、マネタリーベー
スの増分の87%を長期国債残高で占めていると示している。

しかしながら、日銀のBS上の長期国債の定義は「償還期限が
一年以内の国庫短期証券を除く国債」となっていて残存期間に
ついての区分はない。そのため、残存期間が短くても長期国債
となる。残存期間が1週間でも償還期限10年物は長期国債
なる。しかし、実態は短期証券の買い入れと同じものであり、
オペの意味合いが変わってくる。

量的緩和期間の日銀保有の長期国債平均残存期間は、5.5年
から4.0年へと低下の一途をたどった。つまり、量的緩和
施の実態は長期国債の買いオペと言っても、残存期間1年以下
の割合が高まるオペを実施していたことになる。

白川総裁が、胸を張って実施してきたと称される量的緩和のオ
ペの内容は実は違ったということである。87%という長期国
債残高は実態上は8%にも満たない状況であった。逆に残存期
間が一年以下の長期国債を含め短期とみなされるものは60%
にも達する。

日銀が量的緩和策として実施してきたと称する長期国債オペは
短期オペに過ぎなかったと言わざるを得ない。

そして、短期オペによる量的緩和は需要刺激効果をほとんど有
しないとされる。日銀が少なくとも行った量的緩和は残存期間
の短い国債が中心となっているためバーナンキFRB議長の言
うところの「ポートフォリオ・リバランス効果(日銀当座預金
は利息を生まないため、この残高が大きくなれば金融機関はよ
り有利な運用先を求めて企業への貸し出しや債券・株式投資
どに資金を回し実体経済に影響を与える効果)」を期待しにく
い資産買い入れだったと言える。

 量的緩和の効果が定かではない、とする日銀の言い分はこう
したオペ上の問題をはらんでいることを忘れてはならない。

そして、こうした金融当局のある意味不作為による状況をもっ
て、金融政策の大胆な実行を阻害させることだけは許してはな
らない。

並みの御用エコノミストなど圧倒するような詳細な金融緩和政策についての議論です。永田町では、日本銀行の関連するポチ政治家や御用たちが日夜跋扈しています。彼らインナーサークルの一員からたまたま本音を聞きましたが、やはり彼らのまわりは日本銀行関係者しかいないのです。彼らが最も恐れるのは、日本銀行の仲間たちから排除されることであって、日本の国民が苦境にたつことではないのです。いったい自国の金融政策が効果がないとやる前もやっている間も終わった後も言い続ける中央銀行があるのでしょうか?

仲間内だけの利害関係に無意識・意識的にがんじがらめになっているのでしょう。この恐るべき機関をどう解体・改革していくかが次の政権の大きな課題、それは馬淵さんも意識しているように、日本の経済低迷を打開する最重要なキーでしょう。

馬淵さんのブログやメールマガジンはこれからの日本の政策(経済問題だけではなく復興政策やエネルギー対策などを含めて)を考えるときの重要な羅針盤になっているといえるでしょう。近日中発売という月刊誌での論説とともに今後注目すべきだと思います。

新刊予告『日銀の大罪(別冊宝島)』、8月6日発売予定!

 新刊となります、別冊宝島の『日銀の大罪』。アマゾンで予約が始まっているようです。岩田規久男先生、上念司さん、高橋洋一さん、そして僕など日本銀行問題について従来から厳しい態度で批判している方々を中心にした最新の論説(自分のだけみても非常にわかりやすいイラストなどが豊富で驚きます)が多数掲載、さらに有益かつビジュアルな解説も豊富です。

 なぜ日本経済はこうまでダメなのか、その核心をよくある官僚の詭弁や、その引きうつしでしかない御用マスコミや御用学者・エコノミストの詭弁とは違う意見がこの本には満載です。

 アマゾンの解説文を以下に

デフレを放置し、震災後の資金供給もしない日銀。震災後は短期オペで40兆円を銀行に供給したが、短期オペだからたった3日しか市場には金が流れなかった。それも銀行間だけ。身内は天下り先として守るが、国民の生活などまるっきり頭にない。その日銀が、日銀法の元、まったく政府の管轄下から離れ、絶大な権限を持つ。そんな日銀マンの生態から思考まで徹底的に暴きだします。

日銀の大罪 (別冊宝島) (別冊宝島 1803 ノンフィクション)

日銀の大罪 (別冊宝島) (別冊宝島 1803 ノンフィクション)

 なお私の日本銀行問題についての包括的な意見は下の著作にあります。こちらも副題に「日本銀行の大罪」とあります。この日本の20年間の停滞とそして日々累積する経済苦からの自殺者増、生活に困窮する人たち、将来の可能性をせばめられている若い人たちと他方で日本銀行職員や官僚たちのように既得権を享受する唾棄すべきものたちの増加、これにまさに責任がある組織としては、「大罪」でも言葉が足りません。

 「(身内の中では)白川はよくやっている、という評判しかない」とか「昔の日銀の支店長の豪華な社宅での生活が懐かしい」などという言葉を実は最近日銀関係者から耳にしましたが、正直あいた口がふさがりませんでした。まさに唾棄すべき組織とその所属する人間たちのマインドだと思います。

デフレ不況 日本銀行の大罪

デフレ不況 日本銀行の大罪

『ロマンスの王様 ハーレクインの世界』

 頂きものです。ありがとうございます。これは読みたかった本ですw なぜか自分では買わないまま今日までw なぜでしょうか?w

 日本でハーレクインが登場したことはよく覚えてます。まさかこんなに支持されるとは当時はまったく思わなかったというよりも、単純に自分の関心の枠外でスルーwというのが本当のところでしたが、たまに「これを読んでいる人たちはどんな人?」と疑問に思ってました。買ってる人も読んでる人も僕の周囲には皆無だったので。

 その疑問も本書を読めばすぐに解消です。しかも編集、制作、広告・販売までさまざまな情報がてんこもりw もちろん作品のジャンルやシリーズの特徴、さらに作品からのサンプルつきw(結構、エロい)。なぜか本書を読んでて大橋純子の唄がずっと脳裏にこだましてましたw

 三浦しをん氏のインタビュー読んで彼女の本を読みたくなったり、速水健朗さんの相変わらず達者な「文明の衝突」論からの「シーク」ものの考察も非常に興味深いですね。あと創刊当初の思い出を当時の編集長が回顧したものは、当時のマーケティングのサンプルとしてきわめて重要なものでしょうね。

 ともかくこれは日本の文学史の重要な一面として絶対読んでおくべき重要な史料です。

ロマンスの王様 ハーレクインの世界

ロマンスの王様 ハーレクインの世界

今年、キャリアデザイン(三年生対象)で利用した教材

 今年度から始めてキャリア・デザインをすべての時間担当することになった。いままではせいぜい全部で18コマのうち3、4コマ程度であったから大変化である。試行錯誤の連続であり、また外部講師にも助けられたりしてのりきった(まだ試験があるが)講義だったが、どんな教材を利用したのか、または講義を行う際に参考にしたのかをひとことコメントともに掲載したい。もちろんすべての教材を全部そのまま利用したり参考にしたりするわけでもなく、独自のアレンジや省略などを脳内変換で駆使した。

 まず基本的な導きは自分の書いたテキスト『偏差値40から良い会社に入る方法』。就職レコーディング術など直接利用するよりも講義で実践的な形で援用していった。試験はこれを持ち込み可能である。

偏差値40から良い会社に入る方法

偏差値40から良い会社に入る方法

 次はビデオ(DVD)教材。とてもいい出来なのでぜひ学生たちは就職課などにあれば見ておいたほうがいい(高価なので自分で買うのは不可能だろう)。もちろんこれも部分的に見ておけばいい。特に後半の模擬面接の箇所はとばしたり、付属している小冊子なども利用できるものは利用しておく、という形で学生が個々に参照しておいたほうがいい。あとDVDにでてくる学生たちは非常に形式化もされているので、特に就職を勝ち抜いている女子学生の子の活動をそのまま目的にするとハードルの高くなる学生もでてきそうである。そこは本人にあわせて教員側が指導すればいいだろう。就職関係だけではなく、ゼミなどで学生から就職の相談をうける教員も一度はみておくべき教材。

 就職活動のすべて http://www.nikkeibookvideo.com/item-detail/V0126/

 あと小学生から中学生レベルの漢字、分数・小数の計算などは、教員が簡単なペーパーをつくり学生にはやめにやらせておくのがいいだろう。ここらへんを怠けると後々大きく反動がくる。学生も恥ずかしがることはない。理解力は子供のころにくらべて格段に進歩し、また目的意識もあるので、ここらへんの初等教育レベルはわりとあっさりみんなクリアしていく。

新版 分数ができない大学生 (ちくま文庫)

新版 分数ができない大学生 (ちくま文庫)

以下の本があるが類書も多くあるようなので適宜参照したい(算数は分数・小数の四則演算ができればあとで紹介する旺文社のテキストをやってしまったほうがショートカット)。もちろん漢字では漢字検定のテキストなども便利。

中学3年分の数学が14時間でマスターできる本

中学3年分の数学が14時間でマスターできる本

 SPIなどのいわゆるペーパー対策として僕は今年は以下のテキストを利用した(あれ? リンク先みあたらないのであとで紹介)。これも就職の相談をうける教員がまず参考にしたほうがいい。上にも書いたが分数・小数の四則演算をやったあとであれば困難なくできるはず。中学生レベルの数学の知識でこなせる。あとは一般知識の模試、適性試験などは日経就職関係の無料でできるものを利用した。なかなか便利。

 他には海老原嗣生さんの何冊かの本、田口久人氏の『受かる!』シリーズなどを全部ではなく、僕が読んでみて参考になるところを利用したり、学生に読むようにすすめた。

 半期の講義だと本当にあっというまにすぎてしまい。なんか説教臭くはなるわw テクニックと体験談ぽい話のバランスに苦慮するわで、なかなか難しい。来年度以降また担当したらよりスキルを磨いていかなくてはいけないと思った。