ヒッグス『重農学派』(住谷一彦訳)

松崎蔵之助『経済大観』が1902年で日本では初めての本格的なケネー研究だったと書いた。ついでなのでそれ以前の国際的なケネー研究については、ヒッグス『重農学派』(原書刊行1897年)とその参考文献がいい。重農学派の研究は、重農学派への当時の批判者、アダム・スミスマルクス、そして経済学史的にはジェボンズ、ロッシャー、オンケンらが名前を思い出すことができるが、ヒッグスの本ではさらにさまざまな著作が挙げられている。国際的なケネー研究に日本がどのように位置にいたのかを知る上でもいい。

 

また個人的には、住谷悦治を訳したものに手をいれて1957年に訳書をだした住谷一彦先生の訳者あとがきが興味深い。父親の宿題を終わらせただけでなく、他方で本人が本書を訳した背景には、日本の農業問題に関する山田盛太郎的な関心があったことがわかる。

 

ヒッグスについては英語のwikipediaがまず現状はいい

Henry Higgs - Wikipedia

ケインズが『人物評伝』でヒッグスについて書いている。昔読んだが記憶にあまり残っていないw。

 

Amazon.co.jp: 重農学派 (社会科学ゼミナール 16) : ヒッグス, 住谷 一彦: 本