ケインズ学会に参加

今年のケインズ学会は2日目に参加。初日はリンク先がこなかった。事務局に連絡しても対応がなく著しく不信感を抱く。しっかりしてほしい。

 

ケインズ学会自体はMMTについての報告が主関心。

 

以下はtwitterに書いた関連する発言。

今日のケインズ学会で話題になった『景気とサイクル』最新号に掲載された浅田統一郎さんの「新型コロナ対応の財政金融ポリシーミックスについて:緊縮主義vs反緊縮主義」は必読。MMTでは統合政府予算が制約条件ではなく、むしろ名目経済成長率が安定化するためには、ずっと財政赤字が必要。物価は外生。

 

浅田さんがここは書いてるわけではないが、物価水準がどんなレベルでも上記の“部分”MMTモデルでは経済の安定が保証されてしまう。それでは恐らくMMTでも不都合なので物価水準は外生的に雇用保証プログラムで制度的に決定する。MMTでは制度的改革が決定的な意味をもつ→ストラクチャリストvers.2(?)

 

浅田統一郎さんの“完全”MMTモデルは、以下を参照。個人的には完全版はMMT風ではあるが、MMT論者をある意味超えてる(笑。むしろ部分MMTモデルの方がMMT論者の大半の議論をカバーできる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/revkeystud/2/0/2_148/_article/-char/ja

 

MMTベーシックインカムは前から気になっているが、ダメな組み合わせではないか。やるとすれば二段階調整にして、景気に作用される給付と景気によらない給付にわけることが一案ではある。雇用保証プログラムがMMTの物価決定と金融不安定性回避に必要なので、BIは、MMT的にはノイズな発想かもしれない。

 

いずれにせよ、ネットの匿名MMT支持者は、単なる誹謗中傷しかできない低レベル集団であり、自分たちが何を言ってるのかさえもわからず呪文(税は財源ではない!など)を唱えるだけである。MMTを理解するには経済学のいくつものレイヤーを知る必要がある、知的な作業で匿名MMT界隈には能力的に無理だ。

 

Geoff CrockerのBasic Income and Sovereign Money: The Alternative to Economic Crisis and Austerity Policy はまだ未読なので近いうちに読むつもり。