「エンゲル係数が上昇して生活が苦しくなるのは安倍政権のせい。民主党時代の方がよかった」という間違った意見について

エンゲル係数が上昇して生活が苦しくなるのは安倍政権のせい。民主党時代の方がよかった」という趣旨のつぶやきやら記事やらを目にしてますが、twtterにも書きましたが、日本のエンゲル係数の上昇についてはまず以下の解説を参考のこと。
http://www.stat.go.jp/info/today/108.htm

エンゲル係数の推移を見ると、平成元年から平成16年にかけて低下していましたが、平成21年以降上昇しています。これは、エンゲル係数が、世帯主が60歳以上の高齢の世帯では高い傾向があるため、高齢化に伴って高齢の世帯の割合が上昇していることなどが全体のエンゲル係数の上昇にも関係」。

 それと所得が上昇して外食が増えるとエンゲル係数が上昇したりもする。エンゲル係数は基本的に高齢化の進展でこれからも上昇トレンドにあると思うが、その他の要因でも影響がおこるといえる。

 ちなみにエンゲル係数という一部分を取り出して、現在よりも民主党政権時代の方が暮らし向きがよかったというのは、1)民主党政権時に失業率が高率(見かけ失業が減る傾向が始まったかのようにみえてもそれは求職意欲喪失者が増えたため=景気の悪化が深刻で職をさがすこと自体をあきらめたから)であったことをみていない、2)民主党政権時に経済的自由での倒産件数の比較にならないほどの多さを無視、3)現段階での自殺者数の減少を無視(民主党政権時よりも安倍政権の下の方が減少率はるかに拡大)、4)最低賃金の上昇も無視などさまざまに列挙できるものを無視している。さらに最近では、雇用回復の中での実質賃金上昇もみられる(民主党政権時では、雇用悪化の中での実質賃金上昇があった⇒採用コスト増加で失業者増加をもたらす等)。

 もし安倍政権を批判するならば、いまのアベノミクスのうちリフレ政策をさらに意欲的にやれ、というのが、まあ、まっとうな批判の方向だが、そういう話にはならず、批判のための批判しかできない人達が多い。